不動産トピックス

クローズアップ 花粉対策編

2009.02.16 13:39

 春が近づき、まもなく本格的な花粉シーズンに突入する。飛散が少なかった昨年とは一転、今年は飛散量が例年の1・5倍という予測が報じられているだけに、ビルの花粉対策は業務効率の維持のためにも検討の余地があるだろう。今回は花粉を除去し快適なビル環境を実現する製品に注目する。

三機工業/岡村製作所 扉をなくし開放的な花粉除去ブース共同開発
 「マナージェット」は三機工業(東京都中央区)と岡村製作所(横浜市西区)が協働で開発した花粉除去ブースである。
 製品開発の経緯について三機工業の三輪氏は「当社は病院・工場等に向けて、数多くの空調・衛生設備の施工事例を有しています。このノウハウを広く一般に向けて活用できないかと考え、岡村製作所との共同開発が実現しました」と語る。
 「マナージェット」の特長は大きく2つ。まず1つは扉のない開放的なデザインである。運転スイッチに手をかざすと、正面のジェットノズルから秒速20mのエアシャワーが衣服に付着した花粉・ホコリ等を落とすと同時に、入力部分のエアカーテンが作動。これにより花粉やホコリが外部に出ることはない。なお、花粉を回収するフィルターは二層構造となっている。
 2つ目の特徴はオプション機能である。製品に取り付けられた消臭スプレーボタンを運転中に押すと、消臭剤が噴霧され花粉除去と同時に衣服の消臭もできるのだ。岡村製作所の中島氏は「消臭機能を付加することで、花粉が最も飛散する春だけではなく1年を通しての使用が有効となっています」と話す。
 価格は消臭機能付きのスタンダードタイプが198万円、花粉除去専用タイプが180万円である。

日本バイリーン 高性能HEPAフィルター採用 秒速25m以上のエアーで除去 製品使用後も花粉が付着しにくい
 日本バイリーン(東京都千代田区)では、花粉除去ブース「Clean Breeze」の販売を行っている。同社営業開発部長の中田正人氏は「この製品は大手ホテルチェーンから、花粉対策について何か有効な製品はないか、との問い合わせを受け開発されました」と語る。
 製品内には合計16のジェットノズルが配置されており、スイッチを押すと秒速25m以上のジェットエアーが吹き出し花粉を払い落とす。払い落とされた花粉は製品内下部のフィルターへと送られる仕組みだ。花粉を回収するフィルターは二層構造で、精密機械工場や病院などで使用される高性能HEPAフィルターを採用している。
 特徴として、同製品は衣服の静電気を除去する「イオナイザー」機能を搭載している。この機能によって、「Clean Breeze」使用後も衣服に花粉が付着しにくくなるのだ。
 1階の運転時間は20秒、照明の点灯・消灯は自動制御で行われるため、省エネルギーにも貢献する。扉はスイング式手動ドアとスライド式自動ドアから選択することができ、「外装の模様やカラーは多彩なバリエーションを用意しているので、設置環境に応じたデザインも可能です」と中田氏は話す。

セイキ販売 二重構造で花粉・ホコリを80%以上防ぐ網戸 高密度フィルターと防虫ネット 光の透過性保ちつつ花粉を防止
 セイキ販売(東京都練馬区)の手がけるビル・マンション用「フィルター網戸」は、二重構造で花粉・ホコリ対策用の網戸である。
 製品はポリエステルハイメッシュのフィルタースクリーン「クロスキャビン」と防虫ネットの二重構造となっており、硬質樹脂による同社独自の同時固定でネット外れを防いでいる。通常の軟質ゴムではJISの網外れ試験をクリアすることが出来なかったが、硬質網押さえでは強度が格段に向上し、JISの試験をクリアしている。
 なお、「クロスキャビン」とは帝人ネステックス(石川県能美市)が開発した、1インチあたりの網目が200本と高密度のフィルターである。網目の間隔は約80ミクロンで、スギ・ヒノキ・ブタクサなどの花粉の大きさは30~90ミクロンであるが、複数の花粉が固まって飛散することが多いため、室内への侵入を80%以上を阻止することができる。
 取替えの際はポリエステル製であるため、分別してリサイクルが可能である。また、製品は一定の透過性を保つブラック調で、従来の網戸と比較すると紫外線の侵入を5分の1程度に緩和する。花粉やホコリの侵入を防ぐと同時に、二重構造であるため雨が室内に侵入することも防ぐ。




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