不動産トピックス
クローズアップ 太陽光発電編
2009.03.02 10:50
太陽光発電を取り入れるビルが増えれば、それだけ環境問題の悪化に歯止めをかけることができる。ますますエコロジー商品の需要が高まる今日、政府レベルで積極的にエコロジー商品を導入している国もある。そんな社会情報のなかでエコロジー商品の提案で社会貢献したいという経営理念を持つ企業とその製品にスポットライトを当てた。
シャープ 1GW規模太陽電池工場建設中
世界の太陽電池累計総生産量は8GWだと推定されている。その4分の1がシャープ(大阪市阿倍野区)の製品にあたるという。
「弊社はあらゆる種類の太陽電池モジュールを製造・販売しています。ラインアップが豊富なのが弊社のセールスポイントです」と広報室東京広報グループ主事の中山みゆき氏は語る。
事実、同社では結晶系、薄膜系、化合物系の太陽電池モジュールが製造、販売されており、用途に合わせた形状も多数用意されている。
例えば屋根の形に合わせることができる三角形や台形、そして平板瓦一体型もある。
中でも同社が自信を持って提供している製品は、多結晶系の切妻・陸屋根対応「ND-191AV」だ。同製品は、変換効率が業界ナンバーワンで、モジュール変換効率が14・4%、公称最大出力が191Wとのこと。また、低反射ガラスを採用しており、耐風圧性能も強化されている。
同製品の設置総設置面積が架台を含め、約27・1㎡ならば、太陽電池容量は3・82kW、年間予測発電電力は4・112kWh。同製品が20枚、パワーコンディショナーが1台、ケーブル2組が設置されることになる。
同社は約50年、太陽電池の研究開発を行っている。そして大阪府堺市に年間生産能力1GW規模まで拡張可能な薄膜太陽電池工場を建設している。第一次展開として、480MWのセル生産体制を整え、平成22年3月までに生産を開始する予定だ。
ホンダソルテック 環境に優しい太陽電池モジュール コストも安く長期の維持が可能
ホンダソルテック(埼玉県和光市)は公共・産業用CIGS薄膜太陽電池モジュールを製造・販売している。太陽電池モジュールは銅・インジウム・ガリウム・セレン(CIGS)を原料としており、化合物半導体を発電層に使った次世代型の太陽電池となっている。
「太陽光の変換効率がトップクラスの商品です。平成19年10月、280V・125Wの住宅用の太陽電池モジュールを発売しましたが、去年10月に公共用の太陽電池モジュールも発売しました。弊社は、生産時も環境に優しくなるよう気をつかっております。エコロジーには非常に良い商品だと感じております」と営業開発室長の島田和明氏は語る。
同製品は「未来へ、地球にやさしいHondaの発電力」をキャッチコピーに掲げる同社ならではのものである。世界中で地球温暖化への対策が求められている今、再生可能な自然エネルギー研究開発に力を注ぎたいという思いでできた結果だ。
同製品の発電層は、2から3μmの厚さでできており、結晶系シリコン太陽電池の約80分の1だ。
導入メリットは、二酸化炭素排出量及び化石燃料使用量を削減できるというだけでなく、購入電力量の削減、余剰電力発電による経費の削減・電力需要のピークカットによる基本契約料金の低減また、地域住民、従業員、学生などの環境問題に対する意識の向上などがあげられる。
AGC硝子建材エンジニアリング 屋上のフェンスや手すりにも使用可能 様々な設置環境対応デットスペースに活用
AGC硝子建材エンジニアリング(東京都千代田区)は両面受光板「サンジュールFACE BY TWO」を施工・販売している。
同製品は、さまざまな設置環境に対して柔軟に対応可能である。
同製品は垂直に置くことも可能なので屋上のフェンスや手すりなどにも使用することができる。
「合わせガラスタイプを基本とした両面受光型のセルによる新型モジュールです。フレームレス構造と組み合わせることで、シンプルデザインを提案いたします。デッドスペースがなくなることで、他の用途に土地を使うことができます」(播磨氏)
同製品は高透過強化ガラスを使用しており、最大寸法がフェンスタイプは2400mm×1400mm、手すりタイプは1500mm×1100mmだ。形状は短形とガラスの加工可能範囲内にて対応可能な異形の2種類を取り揃えている。ただし、定格出力10kWにつき約100から120㎡。フェンスは50から60m、手すりは90から110m必要となっている。
そして、両面受光型セルは単結晶シリコンを使用している。中央に中間膜(EVA)があり、高透過強化ガラスまたは、高透過倍強度ガラスで両サイド挟まれている。