不動産トピックス

クローズアップ 防音対策編

2009.04.27 16:20

 商業ビル・住宅に限らずオフィスビルにおいても、快適な執務空間を構築するために、防音対策は欠かせない。人の声や足音といった生活の中で発生する音はもちろんのこと、屋外の騒音や雨が非常階段を打つ音など、色々な場所で騒音は発生している。今回は防音対策を紹介する。

日本特殊塗料 建物のあちこちで発生する音の拡散を吸収・遮断して防ぐ
 日本特殊塗料(東京都北区)は、建物のさまざまな場所における防音材を開発・販売している。
 同社の防音材「防音くん」シリーズは、音を吸収し、反射を防ぐ「吸音タイプ」の製品のほか、音の侵入を防ぐ「遮音タイプ」、そして振動を抑えて音の発生を防ぐ「制振タイプ」の3種類に分類される。
 吸音タイプの代表製品である「防音くん 室内吸音用」は、ブラインド間隔で窓や壁に吊るすことで、音の反響を抑制し、室内で発生する音割れや会話障害を抑えることができる。
 このほかにも天井吸音ボードによる吸音製品も用意している。また、遮音タイプでは窓からの騒音を防ぐ窓用タイプや、床への衝撃音が他フロアに伝わるのを防ぐ床用タイプがある。
 さらに、鉄骨階段やトタン屋根といったスペースに使われる制振タイプも用意されており、ビルや住宅においてあちこちで発生する、大きな音の発生による問題を解決する。
 「当社は塗料メーカーとしてのイメージが強いですが、防音技術に関しても、自動車・鉄道などの防音技術開発に端を発してさまざまな商品・技術を開発してきた。社内には実験・開発用の完全防音ルームなども構えており、あらゆる環境・空間における防音を推進します」(塗料事業本部副本部長 西岡寿氏)

ヤマハ 室内に設置できる防音室 遮音性能の向上に加えデザインをシンプル化
 ヤマハ(浜松市中区)は、リフォーム工事不要で簡単に設置でき、様々な用途で周囲を気にせず趣味を楽しめるプライベート空間をつくる防音ルームのヤマハ アビテックス「マイルームⅡ」を販売している。
 製品価格は1・5畳タイプで66万4650円(税込)。
 マイルームⅡは、既存の建物内に大がかりな工事なしに設置できるプライベートルームとして、平成16年から発売されてきた「マイルーム」シリーズの最新製品。
 マイルームⅡは従来品から設計・デザインを一新し、同社の防音室「アビテックス セフィーネⅡ ボックスタイプ」と部材を共通化することで遮音性能を向上し、あわせて組み立て時間を短縮するなど、さまざまな機能向上が図られている。
 遮音性能は、従来の舞ルームにおける上級タイプのDr-35と同じ等級ながら、ほぼ全ての音域で遮音性が向上している。
 外観は外装パネル全体をフラットにしたシンプルなデザインで、どのような室内空間にも合わせやすい仕上げとなっている。こうしたデザインのシンプル化と遮音性の向上は、ユーザーからの意見によるもので、同社はこの製品によるさらなる市場開拓を図る。

真日本ホームズ 古紙素材の防音物質で安全・快適な防音環境 断熱・吸湿効果もあわせ持つ
 真日本ホームズ(静岡市駿河区)は、紙状の高断熱性防音材「セルロースファイバー ピュア・ブレス(以下ピュア・ブレス)」を開発・販売している。
 ピュア・ブレスの原材料は100%古紙を使用。リサイクル製品であるため環境に優しく、廃棄する際も環境に与えるダメージが少ない。
 このピュア・ブレスを壁材として用いることで騒音を吸収し、楽器を使用するスタジオや大きなスピーカーがある部屋などからの騒音が他の部屋に伝わるのを防ぐ効果がある。
 また、断熱性にも優れており、室外からの温度が伝わりにくいため、空調の効果が高く、省エネにつながるというメリットもある。
 さらに、素材が紙で扱いやすいことから施工も容易で、既存物件のリニューアル時に防音環境を作りたいという場合にも簡単に導入することができる。
 同社営業部長の鈴木大祐氏は「ピュア・ブレスは断熱性・防音性に優れていることに加え、紙でありながら防燃性能も高く、バーナーなどの火を当てても炭化するだけで燃え上がることはなく安全に使えます」と語る。




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