不動産トピックス

クローズアップ クールミスト編

2009.06.01 10:26

自然の冷気で気温を3度から6度低下可能 各メーカーが続々参入
 日に日に日差しの強さも増し、夏へ向けて勢い良く気温が上昇する今般。建物内部はエアコン全開で快適な空間であっても、一度外出すると容赦ない熱風が吹き上がる。最近、夏になると各施設で極細の霧を噴射しているが、これこそ次世代のクールシステム、「クールミスト」である。

気化熱を利用して爽やかな涼をとるクールシステム 
設置型から可動型までレンタル商品も利用可
 「六本木ヒルズ」での導入を皮切りに、エアコンではない自然の清涼感でクールダウンをはかる「クールミスト」の導入が、各大規模施設で進んでいる。
 「クールミスト」とは、専用のノズルを利用して水を極細の霧にし、噴射することで体感気温の低下や粉塵落としなどに効果を発揮するクーリングシステムである。噴射された霧は瞬時に蒸発し、その際に熱を奪うため周辺温度を3度から6度下げることができる。各メーカーが独自の製品名で商品を販売しているが、基本的な仕組みは水道ホースから高圧ポンプへ水を流し込み、圧力を掛けた水は各社独自のノズルを通すことで超微粒の霧(ミスト)となり噴出するというもの。超微粒の霧であるため、「肌が濡れた」と感じる前に蒸発し、衣服を湿らすことや、じめじめとした不快感を与えないのも特徴だ。
 「クールミスト」は、大きく分けて3タイプの利用方法がある。1つは設置型。建物入り口や木陰に配管を通して霧を噴射するもの。配管を伸縮すれば、小区画から大区画まで幅広く清涼感を演出できる。上水道をポンプユニットへ接続し、配管を通してノズルヘッダーから噴霧するという方式。初期投資費用はポンプ、配管、ノズルなどを含めると150万円から200万円程度で、配管が複雑になると工事費が加算されてくる。簡単なものであれば1日で設置可能だ。メーカーによっては制御盤を利用して稼働時間・曜日設定や湿度・温度調節などを行うことができるが、300万程度の導入費用が必要となる。ただし、上水道とポンプの間にタイマーを設置すれば簡易的な制御ができる。
 二つ目に可動型。一見、大型扇風機の姿に見えるが、ファン部分から極細の霧を噴出する。容易に移動できるため、工事現場やイベント会場などでも多く利用されている。設置型と比較して導入費用も安価で、例えばスーパー工業(大阪府摂津市)が提供している「スーパーエコクール」は35万円。代理店を通じて、レンタル契約での提供も行っている。
 三つ目は、非常にシンプルな据え置き型。コンパクト設計なので持ち運びも容易、屋内でも利用できる。取扱いが手軽で、貯水タンクに消臭剤等を混入させれば消臭・消毒効果も期待できる。水道管に接続して使用することも出来るが、1時間稼働分であれば貯水タンクの水で対応可能。ニューヨー(東京都中央区)の「ミストクール 遠心式噴霧器」であれば9万円といった価格。
 徐々に浸透しつつあるものの、大型施設での導入が中心となり敷居の高さを感じる「クールミスト」システムであるが、近年では規模や用途により利用しやすい製品も登場している。今夏の猛暑に向けて、一度新しい涼の取り方を検討してみてはいかがだろうか。

ニューヨー 取扱いが簡単で気軽に効果を楽しめる
 当社では屋外型噴霧器「ハイパーミスト」と可動型噴霧器「ミストクール」の提供を行っています。ハイパーミストは超微粒子の水を大量に噴霧するので、水気を残すことなく涼しい環境を提供します。ヒートアイランド対策にも効果を発揮しますが、その他にも畜産・農業・医療施設内外での噴霧(消臭剤、消毒剤、殺虫剤)にも利用されており、また工場内の粉塵抑制にも利用されております。当社ではコンパクト設計のミストクール「遠心式噴霧器HMC-1」も取り扱っていますが、これは直径430mm×高さ350mmと場所をとらない据え置き型。取扱いが簡単で、かつ初期投資費用も9万円程度なので、気軽にミストクールの効果をお試し頂けます。貯水タンクに消臭剤や芳香剤を入れることで、また趣の異なる空間の演出ができるでしょう。




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