不動産トピックス
ビルオーナーのための建築・設備最新情報
2009.06.08 11:47
高砂熱学工業 ビル内の各設備を一元管理するシステム開発 専有部分のエネルギーを10% 建物全体では約3%の削減効果
高砂熱学工業(東京都千代田区)は空調設備と照明設備をエリアやフロア単位で統合し、高度な設備連携、情報共有制度を実施して一元管理を行うことにより、省エネ・省コストを実現するとともに、管理の煩雑さを回避する製品とsちえ「フロア統合コントローラ」を開発した。オフィスビルなどのリニューアル向けに5月から販売を開始している。
同社は85年以上にわたりオフィスビルなどの空調設備工事を手がけており、昨今では地球環境問題、低炭素社会への取り組みが強化される中、環境対策や省エネルギーのためのリニューアル需要拡大を目指し環境ソリューション事業を強化している。
従来の空調・照明等の各設備は独立して設置されている。そのため監視・制御はその設備ごとにリニューアルしなければならず、コストの増大を招いていた。同製品を用いた制御では、空調・照明設備を始め電力等の計量設備や入退室管理設備等を、フロア単位で低価格に統合することが可能になる。
フロア単位の各設備を効率的に一元管理するため、延床面積1万㎡前後のビルにおいて、オフィス専有部分のエネルギーを約10%、建物全体で約3%のエネルギー消費量削減効果が見込めるとのこと。
同社ではビル・学校・ホテルなどの比較的小規模のリニューアルについて営業を推進するとし、他の設備との統合による相乗効果を見込むことから、フロア統合コントローラに同社のエンジニアリング力を加えたシステムとしての販売を計画している。なお、今期のシステム受注金額の目標は5億円となっている。
ABC商会 水酸化カルシウム主原料の100%天然素材の漆喰タイル 廃棄されての環境負荷ゼロ 生産時のエネルギーも削減
ABC商会(東京都千代田区)は、人体にも環境にも優しい100%天然素材の漆喰タイル「ライミックス」の販売を開始した。
「ライミックス」は石灰石から作られた消石灰(水酸化カルシウム)を主原料として形成され、大気中の炭酸ガスと反応し、天然の石灰石と同じ組成に戻ることにより完成する内装壁タイルである。このため、たとえ廃棄されても環境に全く負荷を与えることのない、循環型の製品である。
素材そのものが環境に優しいだけではなく、製品の生産工程による環境負荷も大幅に低減する。製品は焼くことなく圧力だけで固めるため、製造にかかる総エネルギーは1kgあたり1・190キロカロリーと、通常の焼結セラミックタイル製造にかかる総エネルギーに比べ、5分の1程度に抑制することが可能になっている。
また、カルシウムしか必要としない同製品は、VOC(揮発性有機化合物)を一切含んでいない。逆に漆喰同様の吸着効果を有している。さらに、光触媒との組み合わせや珪藻土など機能性材料の配分により、吸着・分解効果、天然杉材以上の調湿機能を付与することも可能である。
「ライミックスボーダー」の1枚あたりのサイスは400mm×132mm、厚さは10mm、12・5mm、15mmの3種類があり、1㎡あたりの材工設計価格は2万1000円である。
アイシン精機 省エネ性向上・小型軽量化のGHP クレーン不要で高層ビルへの室外機搬入も容易に
アイシン精機(愛知県刈谷市)は、従来型から省エネ性を向上し、小型軽量化を実現したガスヒートポンプエアコン「E1シリーズ」を開発。6月から販売している。
今回同社が開始した「E1シリーズ」は、年間の気温変化などを想定して、使用頻度の高い運転領域の効率を高めることにより、従来機よりもガス消費量を14%、CO2排出量を7%削減することに成功している。
小型タイプでは、小型エンジンに高出力化を図ることにより、容積については従来比で35%削減。重量も20%の軽量化を達成し、ガスヒートポンプエアコンの室外機としては初めて非常用エレベーターへの搬入が可能になり、高層ビルへの設置が可能となった。これまで屋上にクレーンで吊り上げるなど、大掛かりだった設置作業の負担が大幅に軽減されることになる。
同製品のラインアップは「ビル用マルチタイプ」、季節冷媒配管を洗浄作業なしで再利用可能な「ビル用マルチリニューアル対応型」、発電機の搭載により消費電力を大幅に低減した「ハイパワーマルチ」などの全8タイプ。出力は22・4kWから71kWまでの6種類となっている。
東邦レオ 循環式・軽量水辺緑化の屋上緑化システム
東邦レオ(大阪市中央区)は、官公庁・工場・商業施設・ビルなどを対象にヒートアイランド緩和効果が高く「生物多様性」の保全に貢献する循環式・軽量水辺緑化「クールパレットシステム」を5月26日に発売した。
環境問題に対する意識が高まる中、屋上や壁面の役割が期待されている。土地の確保が難しい都市の中でも未利用の空間が多く残る建築物の屋上であるが、建築基準法施工例により、屋上前面に荷重をかける場合の積載重量は1㎡あたり60kgと規定されている。しかし、ビオトープ型の屋上緑化は100kgを超えてしまうために、普及が進んでいないのが現状である。
そこで同社は、植生の多様化による生物生息空間の確保、水質を安定させる水循環構造、既存ビルに利用できる1㎡あたり60kg以下の軽量化を目標に、凹凸型の特殊パネルを用いた自動水循環型の「クールパレットシステム」を新たに開発した。
同製品の特徴は、ヒートアイランド効果に加え、室内温度の上昇を抑制し、施設の省エネに貢献するのをはじめ、「小規模分散型ダム」として乾燥化の進む都市生態系に水空間を提供する。
システム価格は1㎡あたり3万3000円からとなっている。
パナソニック電工 63形G-Hf蛍光灯で省エネと省資源を追求 器具2台分の明るさを1台で実現
パナソニック電工(大阪市門真市)は、「Wエコ 環境配慮型照明器具」にランプ交換階数が2分の1になる「省エネ出力型(WSタイプ)」や防湿型・防雨型、工場用など、39品番を6月1日から順次追加発売している。
「Wエコ 環境配慮型照明器具」は、高効率な63形G-Hf蛍光灯を使用し、「省エネ」&「省資源」のダブルでエコを追求。「1灯用器具」では、ランプ2灯の明るさを1灯で実現。器具1台あたりの使用ランプ本数が2分の1となる。
その後に発売した「2灯用器具」では、器具2台分の明るさを1台で実現、設置台数が2分の1となる。さらに、ランプ寿命がおおよそ2万4000時間の「省エネ出力型(WSタイプ)」を追加し、ランプ交換回数「2回が1回」と2分の1となる。
6月以降発売予定の主な新製品としては、センサー内蔵で人がいるときだけ点灯し階段や通路の省エネ可能な「シンプルセルコン階段灯」、日常のあかりと万一の場合も安全・安心の灯りを同じ器具で可能にする「非常用証明器具」など。
また、平成21年に発売するその他製品として、器具幅が200mmとスリムで薄さ乾を強調したベースライトの「直付型ベースライト シンベース」など合計で71品番の発売が予定されている。
清水建設 パラビエンタ・シリーズに2m以下フェンス用を追加 直裁基盤に熱融着培土を採用
清水建設(東京都港区)は、軽量・ローコストな壁面緑化システムで平成18年に販売開始したパラビエンタ・シリーズに新製品「パラビエンタF」を追加した。
同製品は、道路フェンスや目隠し壁フェンス、またちょっとした精米スペースでも、デザイン豊かな緑カーテンを簡単に設置することが可能で、快適な屋外空間を自由自在に演出することができる。
平成18年から発売されている壁面緑化システム「パラビエンタ」は直裁基盤に軽量かつ保水性に優れた「熱融着培土」を採用。システム全体の大幅な軽量化に成功した製品である。熱融着培土は、ポリエステル繊維を培土に混ぜ込み、蒸気加熱でスポンジ状に成形。薄層構造でも多様な植物を栽培できる培土となっている。パラビエンタは建物外壁の本格的な壁面緑化向け技術として、販売開始以降、海外からの引き合いを含め順調に普及実績を伸ばしており、その販売実績は20件を超えている。
今回シリーズに追加したパラビエンタFは、2m以下のフェンス用に的を絞って、更なる軽量化とローコスト化を図った製品となっており、シリーズの特徴である「熱融着培土」と、軽量で耐久性に優れた「アルミフェンス」の組み合わせで、緑化壁を簡単に設置する。ことが可能である。また、5cm厚の培土を使用して片面・両面どちらの緑化も可能となっている。
同システムの標準価格は、設置工事費を含め1㎡あたり8万円。売り上げ目標は初年度5000万円、3年後1億円となっている。