不動産トピックス
ビルオーナーのための建築・設備最新情報
2009.07.27 16:22
石井幹子事務所/岡村製作所/ローム 人体に快適なオフィス空間を目指したライティングシステム 照明デザイナー・石井幹子氏と共同開発
照明デザイナーの石井幹子氏、岡村製作所(横浜市西区)、ローム(京都市右京区)は「次・オフィスライティングシステム(THE Office Lighting System)」の共同開発を発表した。
照明デザインの第一人者である石井幹子氏によるコンセプトに基づいて開発が進められている同システムは、体内時計からの自然なサイクルであるサーカディアンリズムに則った照度変化や、1日の時間に合わせた色温度変化をオフィス空間に実現。年間365日、日ごとの変化に即した照明で人に優しく、快適に作業できる空間づくりを目指す。
同システムでは、照度変化や1日の時間に合わせた色温度変化をプログラミングにより自動調光、無線でコントロールまた、照度、色温度の変化をコントロールしやすいLEDライトを採用し、省エネルギー、長寿命、水銀レスと、環境にも配慮している。加えて、オフィス家具へ直接照明を組み込むタイプとすることで、天井照明の位置に束縛されずレイアウト変更ができ、作業する上で最適な照明環境に容易に調整することが可能である。
このシステムを具体化するため、全体の照明デザインを石井幹子デザイン事務所が担当、LED照明およびコントロールシステムをローム、照明器具を組み込むオフィス什器のデザイン・製作を岡村製作所が担当する。
現在、岡村製作所では、知識創造活動を誘発する「アクティブワークプレイス」を提唱しており、今後、その実験・検証の場として9月17日に開所予定の「オフィスラボ」において、同システムを導入し、その効果を検証する予定。
日本サーモエナー/東京電力 業界初となるパッケージ型ハイブリッド給湯器 簡便な施工による省エネルギー化を実現
日本サーモエナー(東京都港区)と東京電力(東京都千代田区)は、ヒートポンプ給湯器とガスを熱源とする燃焼式給湯器を一つのケーシング内に納めた、業界初となるパッケージ型ハイブリッド給湯器「duoQ3(デュオキューブ)」を共同開発した。
同製品では、これまで設計・施工が複雑化していたハイブリッド給湯器を予め組み合わせることで、ヒートポンプ給湯器の運転を最大限引き出すと共に、導入時の設計・施工の簡素化を可能としており、今年10月より日本サーモエナーが販売を開始する。
同製品では、運転制御を最適化する事でヒートポンプ給湯器の稼働時間を最大限に高め、ピーク時の負荷を燃焼式給湯器の運転でまかなうため、燃焼式給湯器のみの場合と比較してCO2排出量を28%削減可能としている。
加えて、システムを一つのケーシシング内に納めたことで導入時の配管接続は出入口2カ所のみとなり施工が簡便である。
また、最大で5台を連結可能としていることで、一日あたり約10~50tの給湯使用量にまで対応できる。
本製品の外形寸法は幅1000mm×高さ2000mm×奥行き2000mm、質量760kg。
日本サーモエナーでは、定価を525万円(税込)とし、初年度120台の販売を目指すとのこと。
三洋電機 オゾン処理技術で雨水を浄化・除菌して利用
オゾン処理技術を応用し、タンクに貯めた雨水を浄化・除菌し、有効利用するシステムを発表した。処理した雨水を建物の屋根や空調機の室外機などに散水することで建物への熱の侵入を低減、空調効率を改善させ、特に夏場の省エネ効果を生み出す。同社では今後、商業施設などでの試験により商品化に向けた開発を推進していくとのこと。
これは近年ヒートアイランド対策として行われている打ち水などの際、雨水の二次利用が奨励されているが、長期間貯めた雨水に菌・ウイルスやボウフラが発生するなどの問題をオゾン処理技術を用いて解決したもの。
システム構築は、雨どいをつたった雨水を貯水タンクに集め、これに接続した浄化ユニットで雨水をオゾンの強力な参加作用を用いて浄化・除菌。浄化された雨水は、送水ポンプで散水場所に運ばれ、散水・噴霧される。なお、オゾンは浄化・除菌後は酸素に変化し、残留しない。
散水例として、屋根への散水では夏季の部屋のヒートアップを抑えることで室温を下げ、空調負荷が低減される。空調機への噴霧では、室外ユニットの放熱部に雨水を散水・噴霧することにより気化熱を奪い、温度を下げることで運転効率を改善する。その他、植栽や屋上緑化への水やりや駐車場などへの打ち水、建物の外回りの清掃などにも利用可能であり、水道水を節水することが可能である。
ダイキン工業 「コンビニパック」モデルチェンジで設置しやすく省エネ性能が向上 冷凍・冷蔵・空調を1台の室外機で制御
ダイキン工業(大阪市北区)は冷凍・冷蔵・空調を1台の室外機で制御するシステム「コンビニパック」をフルモデルチェンジし、より高性能とした「冷凍・冷蔵・空調熱回収システム」として11月15日から販売を開始する。
新システムは、同社が平成14年に発売した「コンビニパック」の特長を引き継ぎながら、環境対応力、経済性、利便性をさらに追及した商品として開発され、コンビニエンスストアやドラッグストアだけでなく、様々な形態の食品店舗のニーズに応えらえるようにしたもの。
新システムでは、従来、工場や倉庫用大型冷凍機に採用されていたエコノマイザーサイクルにより、従来品に比べ冷却能力が約25%向上、年間消費電力を約10%削減し、一般的な冷凍・冷蔵・空調の個別システムと比較すると年間消費電力を約55%削減することが可能としている。
また、新システムでは冷媒として従来の主流であったR404A冷媒に代わりR410A冷媒を使用したことで、地球温暖化係数が約半分となるうえ、冷媒使用量を減らし配管材料も削減することが可能。
加えて、これらの改善により接続可能な空調用室内機が3機種から24機種に増加。また、冷媒配管長を最大130m、高低差も35mまで延長可能となり、施工箇所の自由度を向上させている。
外形寸法は室外ユニットが高さ1680mm×幅1240mm×奥行765mm、ブースターユニットが高さ480mm×幅680mm×奥行330mm。
大日本印刷/eSIC 電子看板やICカードで地域の活性化を支援
大日本印刷(以下・DNP、東京都新宿区)と電子社会イノベーション推進コンソーシアム(eSIC)は7月13日、情報通信技術で地域の活性化を支援する「地方活性化支援パッケージ」を発表、販売を開始した。
同パッケージではDNPの様々な技術とeSICの地域コミュニティとの結びつきを活かし、地方の商店街や商工会議所、自治体などに対して、地域におけるポイントサービスの導入、情報発信の支援、観光客に対する情報配信システムとコミュニケーションツールの提供など、地域の活性化にむけた企画立案から実行までを支援する。パッケージの講師柄は主として4つのサービスからなる。
「地域ポイントサービスの導入支援」では、3万人までの 会員情報の登録やポイント情報の収集・管理から分析・活用までをASPで提供する。「デジタルサイネージによる新しい地域情報発信」では、32インチのディスプレイ10台、サーバー1台により地域情報やバスの位置情報、イベント案内などが可能。「観光ポータルサイト構築支援」では、簡易にウェブページを作成可能なシステムを提供、運営・管理をサポートする。「文化の活性化(デジタルミュージアムの導入)」では、美術館や博物館を対象にタッチディスプレイを用いた展示物の導入や、コンテンツの作成を行うとする。
またDNPでは今後、携帯電話への配信や公共施設のセキュリティシステム、デジタルペンを使ったセキュリティシステムや災害医療システムなど、パッケージの内容を順次拡大するとのこと。価格は初期費用を5000万円から、運営費を月額200万円からとし、DNPでは平成24年度までに10億円の売り上げを見込んでいるとのこと。
三和シヤッター工業 省スペース型一台用の電動式シャッター 自動車盗難や駐車スペースからの侵入を防止
三和シヤッター工業(東京都板橋区)はシャッターゲート「サンゲート」に省スペース型1台用「三ゲート・ライト」を追加し8月3日より発売する。
同製品は、防犯・利便性を考慮した電動式シャッターゲート。間口を大きくとるため、ゲートの柱幅を業界最小サイズの66mmとしている。柱部分は鉄道車両などに使われる高強度のアルミ材を使用し強度を確保した。
操作方法はリモコン式で車中からの開閉も可能。安全性については、光電センサーと負荷検知装置を併用、降下中に障害物を検知すると自動停止する障害物検知装置を標準装備している。
また、シャッターのレール部分が取り外せる構造で、万一、車をぶつけるなどシャッタースラットが曲がった場合にも、必要なスラットのみ交換できる。また、同社で販売している門扉・フェンス「サンモダン」シリーズとの組み合わせも可能。
設計範囲は開口幅1500mm、2400mm、2700mmとし、開口高さは2000mm、2300mm。耐積雪強度は20cm。参考価格は幅2700mm、高さ2300mmのモデルで71万4000円(税込)、販売目標を初年度250セット、約2億円としている。