不動産トピックス

クローズアップ 雨対策編

2009.08.03 11:22

 梅雨も明け、いよいよ夏本番。転倒事故や雨漏りがあった場合ならずとも、集中的な豪雨や台風などに備えて準備を行っておきたいところだ。今回は、従来品と比較して短期間で設置・施工が可能な雨対策を紹介する。それぞれ屋根やエントランス周りなど、テナントに迷惑をかけられない場所にお役立て頂きたい。

アイゾール産業 安定性に高い実績もつ水性防水工法 安全性や環境負荷などの面でも優位性
 アイゾール産業(東京都新宿区)では、従前の防水工法に代わる水系高性能複合型塗膜防水材による「アイゾール防水工法」を提案している。
 従来の防水工法はアスファルト系・ウレタン系があり、前者では施工性、後者では耐候性に課題があった。これに対して同社のアイゾール防水工法は安定性の高いポリマーセメント系の防水材を開発することで両者の問題を解決。従来品と同様の価格ながら、15年実績で他の工法にない特徴が認められている。
 同工法は、弾性を持つエチレン酢酸ビニル樹脂エマルジョンを主成分とするスーパースプレダムと、セメントなど無機質系フィラーを主成分とするSP混和剤の水和反応と乾燥によって塗膜を造るため、硬化不良が少なく、またコンクリートやモルタルといった躯体や既存防水膜との親和性が高い。ポリマーセメント系防水工法は従来、仮防水に用いられていたが、同工法では耐水性・耐溶剤性での課題を解決した防水性能を実現した。
 ポリマーセメントによる塗膜は耐候性に優れ、下地のひび割れにも追従して防水性を維持できる。また、水性防水材を利用し溶剤や火気を用いないため、安全性が高く密室や近隣への配慮が必要な場所でも施工可能。また既存防水膜の上から施行することもでき、廃材を減らし環境負荷も軽減している。透湿性にも優れているため、湿気のある下地にも施工が可能で工期の短縮・作業性の向上が可能である。

アールズ 床材に合わせた三種類の防滑工法 転倒事故ではオーナー側に賠償責任も
 補修工事を行っているアールズ(埼玉県朝霞市)では、床材の材質や場所のニーズに合わせて工法を選択できる防滑工法システムを提案している。  石材やタイル材は建物のエントランス材は建物のエントランス部分に施工されるケースが多いが、雨で濡れると滑りやすくなり、転倒事故の際にはオーナー側に管理責任があるとして賠償を求められる東京地裁での判決もでている。
 こうした現状に対して防滑工法は、骨材を含んだコーティング剤を用いて凹凸を作る工法、薬剤によって床材に微細な穴をあける工法、テープなどを貼り付ける工法があり、それぞれ場所の特性と床材に合わせた工法を選択できる。アールズでは、これら三種類の工法から測定器によって適切な工法を診断、施工を行っている。
 従来、コーティング剤を用いた防滑工法は塗料が密着しづらく剥離してしまう問題があったが、同社では無機質系アクリル樹脂塗料を用いる事でこれを解決している。
 薬剤による防滑加工についても施工不良が起きやすく、また、石材の色合いを損ねるケースがあったが、同社では施工不良の起きにくい溶剤を用いると同時に床材に合わせて工法を選択できるため、このようなリスクを回避できる。
 また、短時間で施工できることも同社の特徴である。コーティング剤を用いた工法では、エントランスだけの場合であれば塗装に15分間、3時間後には使用可能となり、休み時間や夜間・休日などテナントに負担をかけることなく施工が可能だ。
 現在、同社ではスリップ・転倒リスクを無料測定するキャンペーンを実施中とのことで、台風シーズンを前に安全確認を行っておくのも良いだろう。

新倉計量器 設置ニーズに合わせた充実のラインアップ 機能/サイズ/カラーバリエーションも豊富に
 傘袋提供器「傘ぽん」を販売している新倉計量器(東京都千代田区)では、既に市場で高く評価されている従来品に加えて、昨年から販売を開始した折り畳み傘に対応した一体型タイプ、今回発表された10色のカラーバリエーションなど、様々な設置ニーズにあわせた商品をラインアップしている。
 「傘ぽん」は雨水によるフロアの汚損や濡れたフロアでの転倒防止に効果的として、不特定多数の集まる商業施設をはじめオフィスビルでも導入が増えている。ユーザーサイドにとっては手を濡らさず片手で簡単に扱うことができ、設置側にとっては電源などの設備が不要であることが魅力だ。
 「普及にともないお客様のお声に合わせて随時、改良を行っています。例えば傘袋も口の部分に帯をつけて、屋内でカバーが落ちないよう改良しています。傘袋回収機付きのタイプや、折り畳み傘の普及にあわせた一体型タイプもこうした工夫から生まれ、導入して頂いた企業様からはご高評を頂いています」
 今回、同社が新たに商品化したのは10種類のカラーバリエーション。従来から特注品としてカラーやロゴ入りの商品はあったが、これらのラインアップにより、店舗をはじめ、更に多様な設置ニーズに対応できる。
 同社では、今後も従来品を小型化したタイプや折り畳み傘対応のタイプを改良、市場投入していく予定とのことだ。




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