不動産トピックス
クローズアップ 内壁材編
2009.08.31 15:30
ビルの内壁はテナント利用者が毎日目にするものであり、内壁のデザインや清潔さが保たれているか否かによって、利用者に安らぎを与えることもあれば、ストレスを与え生産性を奪うこともある重要な箇所である。昨今は機能性の面でも改善が進み、湿度やにおいなど、空間全体をコントロールするに至っている。
INAX 室内の空気環境をコントロール 未経験者でも簡単施工可能なイージーパックを併せて販売
INAX(愛知県常滑市)は、調湿・脱臭等の効果がある健康建材「エコカラット」を発売している。
「エコカラット」はデザイン性と優れた調湿・脱臭効果などを併せ持つ、機能性に優れたインテリア壁材である。
「エコカラット」は、インテリア壁材として内壁のデザイン性・意匠性を高めるのみならず、室内の湿度が高い状態では湿気を吸収し、反対に湿度が低く乾燥した状態では湿気を放出することで、室内の湿度環境を適度な状態に保つ効果がある。
また、室内のにおいも吸収するため、トイレなどの空間に施工することで、湿度とにおいの両面で快適な空間づくりに貢献する。
また、同社ではエコカラット3㎡分と必要部材をパッケージ化した『エコカラット3㎡イージーパック』をあわせて発売している。
『エコカラット3㎡イージーパック』は、エコカラット3㎡分と施工に必要な部材をパッケージ化することで、見積もりの簡略化と施工性の向上を実現。エコカラットの中でも人気が高い「プレシャスモザイクシリーズ」から8バリエーションがこのパックとして用意されており、専用接着剤とへらをセットにしたもので、値段は一律2万8140円(税込・工事費別)に設定されている。
このパックには、施工に必要な専用接着剤、ヘラがワンセットとなっているため、専用工具や技術・経験を持っていなくても、気軽に施工することができます」(熊谷氏)
パナソニック電工 高い吸湿性能を有しメンテナンスも容易
パナソニック電工(大阪府門真市)は、調湿パネル「さらっとイーパネル」を販売している。
「さらっとイーパネル」は素材に珪藻土と特殊吸放湿材を混合したものが使われており、高い調湿性能を有している点が最大の特徴である。「さらっとイーパネル」が吸収できる湿気の量は、1㎡あたり600mlで、これは従来の珪藻土によるパネルの約6倍の量に相当する。
この高い吸放湿能力により、小さな施工面積でも高い調湿効果が得られるため、開口部が広かったり特殊なデザインの室内で設置の制約が多い環境であっても十分な調湿効果を発揮できる。「さらっとイーパネル」のもうひとつの特徴は、メンテナンス性の良さにある。
「さらっとイーパネル」の表面には肉眼で見えない細かい穴が開いており、この穴から湿気を吸放出する。この穴は非常に細かいため、水汚れなどを吸収することなく、表面をふき取るだけでメンテナンスができる。
湿気を吸収することでカビなどの発生を抑える上に、パネル自体に脱臭効果があり、室内で発生するさまざまな臭気を吸収し、軽減する効果がある。そのため、商業店舗などの多くの人が出入りする空間でも大いに有効である。
デザインのバリエーションも豊富であり、3種類の木目柄と2種類の抽象柄が用意され、施工するスペースの雰囲気に合わせて選択することが可能。
なお、施工は設置する壁面にフレームを設け、そこにパネルをはめ込むというかたちで行うため、フレーム設置のスペースが必要となる。
ニチアス 再生材料使用した環境型壁材 強度や耐水性に優れ施工場所を選ばない
「エコラックス」の材料に使われているのは、製紙工場や火力発電所などから排出されるパルプ・石こうなどの廃棄物。そして、材料の50%以上にこうした再生材料を使用しているため、同商品はエコマークの認定を取得している。
同社によれば、「エコラックス」のようなケイ酸カルシウム板のカテゴリでエコマークを取得している商品は「エコラックス」のみであり、環境配慮型の建材としての差別化が図られている。
ケイ酸カルシウム板は石こうボードなどと同様に建物の化粧パネルとして使われるが、「エコラックス」はエコマーク認定に加え、表面に施されたUVコートによって、耐水性・強度などに優れ、さらに不燃材料でもあるという特性を有している。
想定される用途範囲もビルに限らず店舗や住宅、工場などさまざまな建物の内装に使用でき、エントランスや駐車場の壁、天井などに利用されている。
特に、強度と耐水性に優れることから建物の軒裏や壁下地などの利用に最適である。
施工性におけるメリットも大きく、寸法安定性に優れ、加工が容易である点は、施工の質の安定に寄与し、美観を損ねない。