不動産トピックス
今週の一冊
2009.09.14 17:05
不動産鑑定評価技術が詰まった一冊
不動産評価の新しい潮流
編著:日本不動産研究所 特定事業部
出版社:住宅新報社
発行:平成21年6月5日
価格:2730円(税込)
激動の時代と言われて久しい不動産業界であるが、この激しい時代の変化に対していかに素早く対応するかが、不動産市況の荒波を乗り切る鍵となるだろう。そうした素早い対応を行うためには十分な現状分析が必要となる。
今回紹介する一冊は、「不動産評価の新しい潮流」である。
本書は日本不動産研究所の創立50周年記念企画として発刊されたものだが、日本における不動産鑑定のトップランナーとして培ってきたノウハウが凝縮されていると言っても良いだろう。例えば、第1章「不動産証券化とその鑑定評価を巡る動き」においては、日本の不動産業界に大きな変化をもたらした不動産証券化について約10年間の流れと現状について詳しく分析しており、不動産関連プレーヤーも金融市場で求められるような態勢整備が必要であると警鐘を鳴らす。
不動産に鑑定評価は付き物であるが、本書は鑑定評価を通して不動産業界の現状認識を深めるとともに、正確な分析を行う助けとなる良書といえるだろう。