不動産トピックス
今週の一冊
2009.09.28 14:47
貧困削減を実現する金融サービスを詳解
マイクロファイナンス 貧困と闘う「驚異の金融」
著者:菅 正広
出版社:中央公論新社
発行:平成21年9月29日
価格:740円(税抜)
世界的金融危機の影響から、日本の経済状況も悪化し、そのしわ寄せが派遣切りやワーキングプアという形でクローズアップされたのは記憶に新しい。ここで問題となるのは、日本においても貧困層が確実に生まれており、その影響が単なる所得格差にとどまらず、教育格差などにもつながることである。
本書は、確実に破綻を来たし始めている資本主義経済が生み出した貧困を救済する新たなビジネスモデルである、マイクロファイナンスをクローズアップする。マイクロファイナンスとは「貧困に苦しむ人々のための少額無担保融資」などを指しており、開発途上国のみならず、先進国でも普及し、貧困削減に対する一定の効果が認められてる。しかし、日本においてはその名前を聞くことすらないといって良い状況だろう。なぜ、日本には根付かないのか。そして、日本に合ったモデルとは何かが考察されている本書を読み、日本社会の在り方を再度見直す必要があるかもしれない。