不動産トピックス
クローズアップ エントランスリニューアル編
2010.03.01 10:08
ここではビルのエントランスリニューアルを手がける企業を3社紹介する。薄暗いエントランスを明るく一新するだけでビル全体の印象がガラリと変わり、テナント誘致や賃料交渉の状況が一気に好転するということは十分に考え得る。ビルの印象を大きく左右するだけに慎重に業者選定したいものである。
ミダス メンテナンスも意識したリニューアルを実施する
デザイン・プロジェクト事務所のミダス(東京都中央区)は、リニューアル後のメンテナンスのしやすさまでも考慮したエントランスリニューアルを提案している。同社は意匠性の高いデザインのエントランスへの改修を得意としているが、ビルの顔であるエントランス部は利用者の快適性と実用性も重要となる。
「例えば人の出入りが多いビルの床には、ヒールマークの付きにくい床材を使用しますし、台車等を利用するビルであれば、台車がぶつかる可能性のあるところに衝撃を吸収するような素材を使用するケースもあります。デザイン化された空間の中で、いかにメンテナンスを意識できるかかが我々のテーマの一つとなっています」(牧野氏)
なお、同社はメンテナンスへの意識とともに顧客との関係継続についても重視しており、リニューアル工事を行った後も3カ月に1度、専属担当者をつけて継続的な訪問を実施している。そこではエントランスリニューアル後の使い勝手や状況等を細かくヒアリングし、専属の営業担当がデザイナーと連携しながら、リニューアル工事後も何かあれば担当者が責任を持って対応する姿勢を明確にしているのだという。
同社の発表によると「顧客リピート率の実績は90%」とのことである。
この90%という結果は、優れたデザイン力やコスト感覚などに加えて、そのアフターフォローまでも重視をする取り組みがクライアントに評価されて、この高いリピート率を実現していると言えるだろう。
クレヴァリー 作成したCGやパースに忠実に再現する
クレヴァリー(東京都世田谷区)は、店舗内装デザインを数多く手掛ける一級建築士事務所である。
同社は店舗デザインのノウハウを活かし、ビルの顔であるエントランスを中心に、エレベーターホールや共用廊下などに特化したリノベーションをこれまで数多く手掛けてきている。
店舗デザインで積み重ねてきた経験が、エントランスのような小空間をリノベーションする技術やノウハウと共通しているため、エントランスリニューアルは同社が最も得意とする分野の一つとなっている。塗装を塗り替えるケース、内装フィルムやベニヤ板などの素材を内壁に貼るケース、壁の素材を石材や磁気タイルに張りかえるケース等、施主の意向に合わせてデザインから施工まで一貫して引き受ける。
「改修を行う際に、当社がCGやデザインパース等を事前に作成し、クライアントに確認していただいてます。当社ではただパースを作成するだけでなく、その作成したパース通りほぼ忠実に再現して工事を行うことを得意としています。いざリノベーションを実施する段階になると、『はたしてイメージ通りのデザインに完成するだろうか』と心配になる方も多いでしょう。ですから、完成後『イメージしていた感じと違う』といったことにならない工事を行うことが重要です。当社であればそれが可能となっております」
オフィスサポーター 低コストでかつ質の高い業者をコーディネートする
昨年9月に独立開業したオフィスサポーター(東京都中央区)の代表取締役である大竹真氏は、前職不動産仲介会社サンエスコーポレーションのFM関連部署の責任者を長年つとめていた経験もあり、内装関連業者、設計会社、デザイン会社施工業者等に豊富なネットワークを有している。
大竹氏は様々な業者、中でも選りすぐりの確かな技術を持つ業者と組み、ビルオーナーの立場に立って市場価格より2~3割程度コストを抑えたビルエントランスのリニューアル工事を提案できるのだという。
「ビルの内装に携わり続け、会社の規模に関わらずオフィス家具や建材メーカー、施工業者等とネットワークを築いてきましたが、低コストでありながら質の高い仕事をしてくれる業者は多数存在しています。こうしたネットワークを活用しオーナーのニーズに応える、最適な業者やプランを選定し、ベストな形でコーディネートさせていただきます」