不動産トピックス

今週の一冊

2010.05.03 11:13

中級者をターゲットに書かれたデリバティブの専門書

金融マンのための実践デリバティブ講座
著者：山下　章太
出版社：中央経済社
発行：平成２２年４月２０日
価格：２８００円（税別）

　不動産証券化が日本の不動産市場においても一般化し、不動産業界に携わるものも金融の知識が不可欠となっている。しかし、金融に関する書籍は初心者でも読むことができ、かつ実務に携わるものも実用に値する「ちょうど良い塩梅」の書籍が少ない。特にデリバティブ（金融派生商品）に関するものとなるとその傾向が強くなる。著者の山下氏は、本書の冒頭からデリバティブを開設する書籍は数多く出版されていますが、難解な専門書か最低限の知識に絞った入門書か、といった両極端なものがほとんどです」と記す。
　本書は、まさに初心者から実務経験者まで、中級レベルを目指し、実用的に値する書籍として上梓された書籍となっており、一般的に取り引きされるデリバティブについて事例を交えながら解説されている。最後の章では「国際財務報告基準（ＩＦＲＳ）のデリバティブ取引への影響」と題して、ＩＦＲＳについて詳しく解説を加えられており、デリバティブの知識の習得に絶好の一冊となっている。