不動産トピックス
クローズアップ エネルギー管理・削減編
2010.05.17 17:01
改正省エネ法が今年4月より施行されているが身近な事と思えないというのがオーナーの本音だろう。しかし実際に、企業全体で1500kl以上のエネルギーを使用している事業所テナントは既にかなりの数存在しているため、対応できるよう、やはり準備は必要だ。
アイ・ビー・テクノス ASP型省エネ報告書類・管理標準作成システム 各種省エネ法対応関連書類を自動作成
アイ・ビー・テクノス(東京都渋谷区)は、「平成22年4月施行の改正省エネ法の対策をしたい」「省エネ法に対応できる管理を運用するにあたっての標準的な管理基準(管理標準)を作成したい」「改正省エネ法対応に伴う人的コストを軽減したい」などのニーズに応えるための省エネ報告・管理ツール「ASP型省エネ法報告書類・管理標準作成システム」を販売している。
「ビルの入居テナントである各事業者は、平成21年4月から1年間の、企業全体における各事業場の使用エネルギーを集計することになりますが、テナントが事業所単位でエネルギー使用量を同ツールに入力し、テナント企業全体の集計が、原油換算値で合計1500kl以上に達した場合、国へ届け出ることが必要となります。その際に同システムは、企業全体の合計エネルギー使用量の把握を助けるのみならず、エネルギー使用状況の使用報告や、中長期計画書等の各種省エネ法対応関連書類を自動作成します」(岡村氏)
また、省エネ法に適合した管理計画を実行していくにあたっては、管理の標準運用を文書化する必要が生じるが、同ツールはその作成もサポートする。管理する設備ごとに、ごく簡単な入力を行うのみで、各事業場ごとの各種設備機器の管理標準(運用基準)を作成できる。一度作成してしまえばその後の運用に関する準備は容易に整うこととなる。
省エネ報告・管理サービスはASPサービスを使用しているため、インターネットにアクセスできるパソコンであればどこからでも使用できるようになっている。
日立プラント 各種設備の消費エネルギーを「見える化」する省エネ制御プログラムを組み込むことが可能 「無駄」や「浪費」を徹底削減 全員参加型省エネ活動が可能に
日立プラント(東京都豊島区)が提供する、Enewatcher(エネウォッチャー)は、空調、換気、電気設備など各種設備の消費エネルギーの「見える化」を図り、企業の省エネ活動を支援するエネルギー管理システム。同システムを利用すれば、消費エネルギーの傾向を、視覚的かつ定量的に把握でき、「無駄」や「浪費」の削減に計画性をもって取り組むことができる。
まず特長として挙げられるのが、消費エネルギーの見える化を徹底追及できること。エネルギー管理業務に適したメーターマップを採用し、見たいメーターの位置や系統を確認しながらグラフ表示を行ったり、短期的なデータから長期的なデータまでビジュアルで分かりやすいようグラフを表示。そして比較表示機能によって、消費エネルギーと熱源の供給熱量を同時に表示することができ、効率を把握することができる。
また、WEBサーバー機能による「全員参加型の省エネ活動」に対応していることも特長である。
同一のLANに接続しているパソコンからは、汎用のWEBブラウザを用いて同システムのグラフを閲覧できるため、消費エネルギーの共有化が図れ、全員参加型のエネルギー活動を行うことが可能となっている。
そして、オプション機能となるが、同社の提供する省エネ制御プログラムを組み込むことが可能になっているということも大きな特徴である。
さらに、省エネ制御プログラムを組み込めるインターフェースを標準装備している。
同システムでエネルギーの消費動向を把握した後、削減効果の大きいところに省エネ制御プログラムを適用すれば、効果的な省エネ対策を進めることが可能となる。
オプテックス LED照明の明るさ自在に制御する調光システム
オプテックス(滋賀県大津市)は、LED照明の明るさを自在に制御できる調光システムを開発している。人や車などが近づいた時のみ照明を明るくすることができる同システムは、水銀灯に比べ消費電力を10分の1程度に抑えられる。
同システムは照明装置とセンサー、コントローラーで構成され、108個の白色LEDとレンズを組み合わせた照明は、センサーで人や車の接近を感知すると明るさを増し、水銀灯と同様の明るさを確保する。
リモコンで設定を用意に経工できるためワイヤレスで配線工事等も不要、面倒な改修の手間が無い。
照明は400W、200W、100W相当の明るさがラインアップされ、待機時の光量は10~100%の範囲で自在に設定でき、徐々に明るくしたり一度に明るくしたりと自在にコントロールできる。連続フラッシュのように点滅させることも可能である。
導入費用はオープン価格で事例により異なるが、電気代とメンテナンス費用を合わせ4年程度で水銀灯よりやすくなるそうである。
中央電子 サーバールーム向け省電力&熱対策ソリューション 適時適切な風量を配分し効率的に冷却
中央電子(東京都八王子市)は、建築物内のデータセンターやマシンルームにおける消費電力の約40%を占めるとされる空調電力を削減する省電力&熱対策ソリューション「コールドアイルコントロール」を販売している。
「主にデータセンターサーバールーム等の省エネを対象に利用される製品ですが、省電力型空調機への入れ替えには莫大な費用がかかるため、少ない電力で効率よく室内を冷やすことが最大のコスト削減に繋がります。ネットワークデバイスや電動ルーバー、吹上げファンにより空調の無駄を抑え、最大30%の風量を削減します」(菊池氏)
サーバールーム内のデジタル温度センサによって各ラック(サーバー)の温度や消費電力が計測され、電動ルーバーや吹き上げファンによるコールドアイルコントロールが実施され、空調の風量が自在に変化、その結果空調改善が行われる。風量不足や風量過多は、暖気の余分な気流の原因となり、熱溜まりを発生させてしまうが、そこで同システムが活躍。適時適切な風量を配分してくれる。ダイナミックな風量の制御が効率的な冷却を実現、ムダな冷やしすぎを減らすことで、消費電力が抑制される。
なお、WEBブラウザ対応監視ソフトウェアとも連動し、ラックの温度や使用電流値の変化、積算電力値の記録を蓄積し、グラフで表示したり、温度・電流値データを分析できる。実測した風量の比較をするなどすれば、より効率的な省電力が可能となる。