不動産トピックス
ビルオーナーのための建築・設備最新情報
2010.06.28 15:40
東京ガス/大阪ガス/東邦ガス/川重冷熱工業/三洋電機/日立アプライアンス 太陽熱を優先的に利用するシステム内蔵 ガス使用量を削減して省エネ化に貢献
東京ガス(東京都港区)、大阪ガス(大阪市中央区)、東邦ガス(名古屋市熱田区)の都市ガス三社は、太陽熱を優先的に利用する制御を内蔵し、ガス使用量を削減する業務用の空調機「ソーラー吸収冷温水機」を川重冷熱工業(滋賀県草津市)、三洋電機(大阪府守口市)、日立アプライアンス(東京都港区)のメーカー三社と共同で開発した。メーカー三社が、冷房能力に応じて製造および販売(川重が8機種、三洋が4機種・日立が17機種)。ガス三社は、オフィスビル、学校、病院、工場などに同製品を活用したソーラークーリングシステムの普及を行っている。
同製品は、雨天の日など天気により太陽熱が不足する時も、自動的にガスでバックアップをして空調能力を安定的に確保。ガス単独で運転した際の冷房定格COPが1・3以上(電気式の冷房定格COP3・5以上に相当)あり、二重効用ガス吸収冷温水機としては、高利率機器となっている。また、太陽熱で発生した冷媒蒸気を凝縮する太陽熱凝縮器を新設、冷却水の通水経路を太陽熱凝縮器から通水することにより低い温度で太陽熱を利用することが可能になっており、システム制御を低い温度で行うことができるためシステム全体の効率を実現している。代表的な機能として、冷房負荷率100%の場合で、75℃の太陽熱で有効利用することが可能。冷房負荷に応じて変化する太陽熱利用温度領域を演算しており、集熱器の集熱効率を上げるために集熱器から取り出す温水温度をできる限り低くして大気への放熱を抑制している。
同製品と総面積240㎡の集熱器を設置した場合、従来のガス吸収冷温水機と比べ、延床面積4000㎡のテナントビルで、冷暖房に使われる年間の一次エネルギー消費量が約24%、CO2排出量が約21%低減。ただし、集熱器の面積とユーザーの空調負荷によって、試算される数値は異なるが、同システムの導入により、省エネ化を実現している。
グリーン・ワイズ 「つながる庭。モデルガーデン001」開設
空間緑化事業を展開するグリーン・ワイズ(東京都多摩市)は、環境への配慮や地域のコミュニティー形成を検討している不動産デベロッパー、商業施設、オフィス、集合住宅の所有者を対象に、自然循環型の緑地を提案し、平成22年6月3日より、「つながる庭。モデルガーデン001」を開設している。
同社は眺めるだけでなく食べられる景観「エディブルランドスケープ」を提案し、果樹や野菜を有機栽培で管理し、野菜を育て自然に触れるために人々が集う場を提供。代表事例で言えば、既に三井不動産の商業施設「ららぽーと柏の葉」の屋上菜園や「双子玉川髙島屋」などに導入され、施設の集客や人の集まるコミュニティ形成に大きく貢献する緑の空間を施工している。モデルガーデンの野菜の種類は、野菜30種(年間50種)・果樹80種・ハーブ30種となっている。
同社は「経年進化型の緑地管理」を提案し、緑を資産価値と捉え緑化計画から関わり緑地を施工した後も管理を運用を継続し時を経るほど資産価値を育む緑を提供している。また、同社は「自然循環型の栽培管理」も提案し「人にも生き物にも住みやすい環境を提供する」という観点から化学農薬で虫や菌類を駆除するのではなく、栽培環境の質を高めて害虫の天敵やコンパニオンプランツなどを利用する、いわゆる「IPM総合的病害虫管理技術」を駆使した緑地管理を実施している。草花や樹木、野菜など全ての植物を化学農薬や化学肥料を使わない「有機植栽管理」を行っている。
同社は都市の限られた空間に緑地を生み出す屋上・壁面緑化技術、生物多様性に配慮した緑地計画、化学農薬や化学肥料に頼らない植栽管理(IPM植栽管理)技術、地域コミュニティを活性化させるコンテンツ「グリーンアクティビティ」の開発等、緑地の持つ効果を高める独自のサービスを開発し提供している。
三菱電機 季節や時間帯に応じて明るさの調光、光色の変化が可能
三菱電機(東京都千代田区)は、LED照明器具「erise(イライズ)」シリーズとして、色温度可変タイプを発売した。
同製品は、器具内に昼白色相当専用回路と電球色相当専用回路の2つの回路を搭載しており、それぞれの回路を調光することで、季節や時間帯を場面に応じて明るさと光色を変化することができる。明るさは100%から5%の調光が可能で、光色は太陽光のような昼白色から暖かみのある電球色の範囲で変化が可能なので、照明空間の演出を実現している。光源寿命は、蛍光灯の4倍以上の5万時間となっており、省メンテナンスである。器具構造は、角を斜めに落としたことで上方にも光を照射し、天井面へ光があたるため空間全体の明るさ感が向上している。また、半円乳白カバーでLED特有のまぶしさを軽減している。
形名は、「EL‐L4004MSAHZ」。消費電力(100V/200V)が、54W/53Wとなっている。主な施工場所は、店舗やオフィスなど。調光制御コントローラー「メルセーブシステム4.」と組み合わせることによりタイムスケジュールで調光を実施することが可能である。希望小売価格(税抜)は、11万円。
ニステックジャパン 自由な長さに切断して幅広い加工を実現 設置現場で取り付けることが可能
無機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)を開発・製造する韓国のNiztec社の日本国内販売会社であるニズテックジャパン(札幌市白石区)は、蛍光灯やネオンに比べて電力消費量を削減でき、長寿命を実現しているELシートの新タイプ「EL Pastel Film」を発売した。
従来のELシートでは、寸法や枚数などを施工時に発注しなければならなかったのに対し、同製品はユーザーが自由な長さに切断して取り付けることができるようになっている。また、設置現場で加工することが可能なため納期を短縮し、コストの削減に寄与している。
サイズは最小で幅12・5mm×長さ1m、最大で幅1m×長さ100m、厚さは0・5mm。カラーは標準色7色のほか、特注色にも対応している。折り曲げて立体加工することができるため自由度が高い仕様になっており、地下街の避難誘導灯、室内の階段・手すりガイド、広告ポスターなどの幅広い用途に利用が可能である。参考価格は、ブルーグリーン色の幅1インチ(約2・5cm)×長さ1mで4000円程度。切断部分の電極端子は専用キットで仕上げているが、将来は、汎用品の電極端子と圧着工具で加工する方法を検証しており、より容易な施工の実現を視野に入れている。