不動産トピックス
今週の一冊
2010.08.09 11:32
景気対策に必要な政策・制度とは 「都市の再生」がデフレの脱出に
「不安」を「希望」に変える経済学
著者:岩田規久男
出版社:PHP研究所
発行:平成22年6月23日
価格:1575円(税込)
政府によれば、景気は上向きつつあると発表されているが、日常生活を営む上で全くそんな風に実感できないのが本音ではないだろうか。
本書は、景気が良くなるためにはどのような政策や制度が効果的なのかを示している。具体的には、給付付き税額控除制度の導入、相続税率の引き上げおよび租税特例措置の廃止、法人税率の引き下げなどが、実施すべき改革として挙げられている。不動産に関する政策や制度も取り上げられ、本書は、デフレを脱出するには、「都市の再生」が必要としている。都心の居住と都心への事務所の集中化は、建設投資や道路投資を伴うため、需要を創出し、成長率を引き上げる要因となるが、一方で企業が都市に参入する際の障壁として、容積率の規制や固定資産税が阻害していると語られている。
高くなった固定資産税を負担しているため、事務所や住宅の建て替えがままならないと共感できる経営者は多いのではないだろうか。