不動産トピックス

クローズアップ 床材編

2010.08.09 11:31

 床は内装イメージを大きく左右する部分の1つである。デザインの良し悪しも重要だが、今回特集する床材は見た目以外にも高い効果が期待できるものばかりである。

サンゲツ 個性豊かなラインアップ 環境対策にも対応可能
 サンゲツ(東京都港区)は、約3000点の床材をラインアップしている。デザイン面では、無地系をはじめテラコッタ風タイルや日本の畳風タイルなど個性豊かな製品を揃えている。
 ビル向けの床材では、「NT・DTシリーズ」を始めとするカーペットタイルがオフィスビルなどで主流となっている。同社が展開するNTシリーズはリーズナブルな価格で高級感を演出し、一方DTシリーズはデザイン定評がある有名メーカー品から、特殊な加工技術を取り入れた国産品まで豊富なラインアップで対応する。中でも再生材使用率25%以上のエコマーク認定を受けている「NT 250 eco」は、使用後も丸ごとリサイクルできる。現在、環境対策を意識する企業やオーナーを中心に売上を伸ばしている。
 フロアタイルでは、最近は光沢感がある素材で、色は白やグレー系が商業ビルなどで流行している。またフロアタイルを交換する際に、LEDダウンライトなどを導入し、フロアタイルによる光の反射を活かして、イメージチェンジと明るい空間演出を行うケースもあるようだ。
 「弊社ではデザイン面・使用感ともに自信があります。見た目の問題だけでなく、環境対策も取り入れた豊富なラインアップで、近年ますます多様化するニーズに対応しています」(沖山氏)

トーヨーキッチン&リビング ベネツィアンガラスのモザイクパーツ フラッグシップショップ開店
 トーヨーキッチン&リビング(名古屋市名東区)では、様々な床材の製造、販売及び輸出入を行なっている。同社では床材に関して今主流にしているのが、イタリアでベネツィアンモザイクを製造しているSICIS社の「ネオグラス」と「コスマティ」の2つのシリーズだ。同社はSICIS社の日本総代理店を請け負っている。 「ネオグラス」シリーズは光を通す半透明なガラスで効果的な光を演出することが特徴である。同製品は正方形、楕円、丸などの形状のチップを組み合わせ様々な床の模様を表現することが可能だ。また「コスマティ」シリーズは、古くからヨーロッパ周辺の教会建築などで採用されるコスマティといわれる装飾様式を、同社が現代的にアレンジした内容となっている。大理石とベネツィアンガラスで構成され、カスタマイズも可能である。同社では7月17日に「表参道」駅付近に「SICIS」フラッグシップショップ「SICIS TOYO KITCHEN STYLE」をオープンし、店内床にコスマティを採用した。オープンにあたり、広報グループ プレス担当の後藤氏は「厚み10mmの大理石やベネツィアンガラスのモザイクパーツは、壁との納まりを美しく仕上るために、慎重かつ入念に現場でのカットを行い完成しました」と語る。同製品は海外のホテルや住宅の床に採用されている。同社はその海外実績とフラッグシップショップ開店の勢いのまま日本市場でも幅広く展開する方針である。

ボード オフィス用に開発 天然突板タイル
 オフィスの床は、タイルやカーペットが主流である。理由としては、オフェスではパソコンなどの電子機器を設置するための配線工事を行う際、木材などに比べ、タイルやカーペットの方が、取り外しが楽である点などがある。
 そのような中、ボード(東京都新宿区)は、「ウッドペッカーオフィス」を発売した。同製品はカーペットに代わるオフィス用フロアとして、OAフロアに対応した天然木の突板タイルである。表面に天然木を使用することで、温かみのあるオフィス環境を作ることができる。
 また、芯材の一部には環境を考慮したリサイクル素材の再生塩ビシートを採用した。
 表面には減摩剤入りの特殊セラミック塗装を施すことで、椅子やOA機器のキャスター痕を軽減し、土足跡や飲み物をこぼした染みも、モップで拭き取るだけで対応ができる。
 同製品は、施工も簡単に行うことができる。アクリル系専用接着剤で施工しているため、取り外しが簡単で、これによりパソコン導入などでの配線工事をする際、床明けなどに支障がでない。
 また、カッターで切断ができる為、廃棄物も出にくく、寸法合わせも容易にできる。
 同製品は用途に合わせてスクエアタイプとボーダータイプを選ぶことができる。
 スクエアタイプの場合、木目の方向を変えることによって、色相が変わるという木材の特性を生かし、意図的に市松柄(市松敷き)や一枚物(順目流し)などの木目柄を選ぶことができる。

タジマ 老舗メーカーが開発した軽量ビニル床シート
 タジマ(東京都足立区)は、オフィスビル、福祉施設、病院、学校、各種などで幅広く対応可能な発泡ビニル床シート「エコ・ディライトEM」を発売した。
 同社は、代表的な床材の1つとして扱われるプラスチックタイルを国内で初めて開発し、昭和28年に「塩化ビニル樹脂製プラスタイル」として発売した。昭和30年には、さらに改良を加えた「プラスタイル・P」を発売し、当時は珍しいテレビコマーシャルでも紹介するなど、同社は床材を50年以上取り扱う老舗のメーカーである。
 同製品は、従来のビニル床シートと同等の厚さを持ちながら、材料を軽減化させたエコマーク認定品の発泡ビニル床シートである。軽量化をしたことで、輸送する際のCO2削減に繋がり、環境対策も考慮している。また表面に特殊コーティング「UVコート」を施すことで、汚れから床を守る働きがある。これにより、メンテナンスコストの低減も実現した。
 カラーの種類は、28色で、寸法は、厚さ2mm×幅1820mm×長さ9mとなっている。




週刊不動産経営編集部  YouTube