不動産トピックス

クローズアップ オフィス家具編

2010.10.04 11:34

 近年のオフィス家具メーカーは、製品の販売だけでなく、企業が快適なオフィス空間を設けられるよう、トータルコーディネートを視野に入れたサービスも提供するようになった。今後も多様なサービス展開を続けるであろうオフィス家具市場に注目してみよう。

ASKUL 世界の家具を明日届ける
 オフィス家具、事務用品等、取り扱い商品数約5万アイテムの通信販売を行うASKUL(東京都江東区)は、様々なメーカーのオフィス家具用品を取り扱っている。値段の幅も広く、椅子1つでも3000円~30万円まで用意するなど、お客様の選択の幅を広げ、より最適な商品を選んでもらいたいと、豊富なラインアップを揃えている。同社は「世界の家具を明日届ける」をモットーとし、全国6箇所にある各物流センターに多彩な商品を在庫することで、注文を受けてから、当日ないしは翌日、商品によっては翌々日には届けられるサービスを確立している。
 同社はオフィスのトータルコーディネートも請け負っている。平成14年から独自の3D動画ソフトを開発し、お客様からオフィスのレイアウトの見積り依頼を受けた場合、翌日に無料で3D動画のレイアウト動画を作成、お客様は送られたURLにアクセスすると、動画を閲覧でき、自分のオフィスの全体像が掴めるというシステムだ。  「通常の家具メーカーでは、平面図の提案までに一週間ほどかかるところを、当社は翌日と、よりスピーディーに、より具体的に、お客様へオフィスレイアウトをご提案できます」(三宅氏)
 また同社のオフィスレイアウトサービスはリーズナブルであるのも特長だ。例えば、サンゲツのタイルカーペットが1枚399円(税込)から用意でき、しかも敷込工事代も含まれている。先に値段を明確にすることで、お客様に安心してオフィスをレイアウトしてもらいたいという目的からだ。 その他に、同社は「みんなの仕事場」というコミュニティサイトを運営している。ここでは実際に使われている各種企業の特色あるオフィスを紹介したり、デザイン会社等の紹介などをし、お客様のオフィスレイアウトの情報収集に貢献する。
 「現在当社では、東京・お台場のtheSOHOで今年の12月24日まで期間限定で、オフィス家具ショールームをオープンしています。是非この機会に、当社のオフィスのトータルコーディネートを閲覧下さい」(三宅氏)

ハーマンミラージャパン セッティングや座る場所を自由に選べる新しいオフィスシステムを提案
 米国の家具メーカー、ハーマンミラー社は1923年にミシガン州ジーランドで創業し、同社の家具は、現在ヨーロッパ、アジアと世界各国で販売されている。同社の日本法人であるハーマンミラージャパン(東京都品川区)は、今年9月にオフィスシステム「Arras(アーラス)」を発表した。同製品は、ハーマンミラー社が初めて、アジア太平洋市場に向けてアジアで開発した製品である。
 同社は、これからのオフィスは、情報通信技術や手法の進化によって、よりコミュニケーションの場となり、フリーアドレス(社員が個々に机を持たないオフィススタイル)を導入する企業がさらに増えると予想している。そこで、今回は同製品のようなベンチスタイルのデスクで、セッティングや座る場所を自由に選べるオフィスシステムを提案しようと考えている。
 同製品は、デスク内側の脚が手前から50cm以上のゆとりを持たせ奥に収まるように設計されている。そのため、どの位置でも座ることができ、使いやすい場所にキャビネットを置くことが可能だ。クランプ式(コの字形の金具)のスクリーンは取り外しが出来るため、デスクワークをする際はスクリーンで社員のプライバシーを守り、ミーティングの時は、取り外しオープンな形で作業を進めるなど使い分けることができる。
 また電源アクセスはデスク部分の収納スペースに収めることができ、パソコン等の電源を収納し、より広くデスクのスペースを確保できる。
デスクの中心部分に付属品のプランターや、シェルフを取り付けられ、プランターに植物を飾ったり、シェルフに共有の書類や小物、飲み物を置くことも可能だ。
 カラーバリエーションも豊富で、デスクの表面は19色、エッジ部分はデスクと同色の他、7色、ベースとキャビネット(デスクの脚部分等)は15色、プレキシガラスのスクリーンは14色と多彩なラインアップである。また、竹を再利用した部材、リサイクル可能な素材を50%以上使用するなど環境対策も意識している。

イトーキ オフィスチェア2点がグッドデザイン賞受賞
 9月29日に日本産業デザイン振興協会が主催するグットデザイン賞が発表され、オフィス家具メーカのイトーキ(大阪市城東区)は4点の製品が受賞した。そのうちの2点がオフィスチェアである。
 1点目は、座るだけで、座った人の体重に応じてロッキングの反力が調節される体重感応システムを採用した「epios(エピオス)」。また背面には、背中を支える独自の樹脂製ラダー構造で、姿勢の変化に合わせ変形するため快適な座り心地を実現した。
 2点目は、ロッキングするとシート全体が前方にスライドする新しいシステムを採用した「torte(トルテ)」。このシステムを採用することで、パソコン作業をする際の視距離の変化を最小限とし、目の負担を抑えられ、さらに後ろを通る人との接触を防ぐことにもつながり、オフィスの省スペース化にも有効である。今年で創業120周年を迎える同社は、今後もますます高品質なオフィス家具を提供し続ける方針である。




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