不動産トピックス

クローズアップ 省エネ対策編

2010.10.25 14:32

 今年の4月に改正省エネ法が施行され、中小規模のオフィス・商業施設でも「エネルギー仕様状況届出書」の提出を義務付けられた企業も増えることになった。現在、それらのユーザーをターゲットにした省エネ製品、システムを各企業は次々と発表し、他社との差別化を試みている。

岡村製作所 簡単操作で誰でも一目で電力消費量を把握できる
 今年4月から施行された改正省エネ法により、オフィスビルや商業ビル内でもエネルギーの消費量を把握するシステムへの需要が増加している。
 今回岡村製作所(横浜市西区)が発表した、消費電力見える化システムOffice Navi(オフィスナビ)は「誰でも簡単に消費エネルギーを把握し、オフィスのエコ化につなげる」という考えのもと開発されたシステムである。
 「11インチ型タッチパネル式の操作モニターを採用しており、簡単な操作を行うだけで、一目でオフィス内の消費エネルギーを確認することができます。いつでも、誰でも、過去や現在の消費電力状況を把握することが可能なため、社員1人1人の省エネ意識の向上に一役を担うことができます。」(西野氏)
 操作モニターのメイン画面には「電力全体」「エアコン」「照明」「コンセント」といった4項目のボタンが表示され、タッチすると、「現状消費量」「日積算量」「月積算量」データーを、表や棒グラフ形式で確認できる。グラフィックデザインにはイメージカラーとして緑を採用したことで、エントランスに設置することで、外部への企業アピールの効果も期待できるのだという。
 さらに、消費エネルギーの目標設定をすることが可能で、各項目のボタンの外周に表示されるインジケーターの色の変化や点滅で消費電力を確認することができ、目標設定数値をオーバーしそうになると警告音が発生する。オプション機能として、改正省エネ法に準拠した経済産業省が定める「定期報告書」を作成するソフトも用意されている。
 同システムは分電盤と操作モニター(スマートステーション)を設置するというシンプルなシステム構成、導入が用意であることに加え、オフィスビルの1フロアから導入でき、システムの規模を企業のニーズに合わせて設定することが可能となっている。

三洋電機 中小規模ビル向けの新「STAIMS」シリーズ
 三洋電機(大阪府守口市)は、1台のパソコンからネットワークを活用して、最多1024台の空調室内ユニット統合監視を行う制御システム「STAIMS」シリーズから、新たなラインアップとして中小規模施設向け「STAIMS mini」「STAIMS nano」を発表した。今までの「STAIMSシステム」の基本機能はそのままで、「STAIMS mini」は最多接続台数が64台までの中小規模ビルやスーパーなどが対象だ。一方「STAIMS nano」は12台までの小規模オフィスやコンビニなど小規模システムに最適なシステムである。両製品は、基本ソフトの省エネ機能「e-CUT機能」を充実させた。空調機の省エネ運転制御を行う「e-CUT機能」には4つのモードが設けられている。温度を変更しても、自動的に初期設定温度に戻る「温度自動リターンモード」、倉庫など1日3時間以内で、使用頻度が少ない場合に設定時間後に自動停止する「自動運転停止モード」、閉店時間を設定すると自動で停止し、閉店後に再運転しても設定時間に自動停止する「消し忘れ防止モード」や、手元のリモコンの設定温度範囲を、例えば24~30℃の範囲など自由に設定できる「設定温度範囲制御モード」と、これらを使い分けることで、よりユーザーに合わせた省エネ制御が可能となる。さらにオプションソフトとして、デマンドコントローラーを設置せずにピークカットを実現する「PAC電流値省エネ機能」も搭載することが可能だ。

太陽工業 電力使用量を削減できるデマンド・コントローラ
 太陽工業(大阪市淀川区)は電力使用量の最大値を下げ電力料金を削減するデマンド・コントローラ(使用電力自動監視制御装置)「NaCoa(ナコア)」を発表した。
 同製品は11月5日より販売開始予定である。
 同製品は1台で、1つの事業場分に相当する7チャンネル50台の空調機器の監視と制御が可能で、業界初の「予測制御機能」や「省エネ制御機能」によりオフィスビルや工場、病院や各種施設の省エネ化と電力コスト削減を促進できる。
 また、従来のデマンド・コントローラが持つ機能のほかに、実際の電力使用量も削減することができる「省エネモード設定機能」を搭載した。
 さらに、3種類の制御方式を選択できる「マルチセレクトコントロール機能」により、よりユーザーの使用現場に沿った使い方が選択できる。
 同製品は、電力の使用状況に合わせて、LED照明の色が変化することで、現在の状況を「見える化」することで、社員らの省エネ意識向上へとつながる。
 同社はこれらの機能により、電力コストの20~40%削減、電気使用量の5%~15%削減を可能にすると発表している。




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