不動産トピックス

クローズアップ セキュリティ編

2010.11.15 17:45

 新築ビル及びAクラスビルでは、セキュリティ対策を実施しているのは当然の取り組みであると言えるが、中小ビルにおけるセキュリティ対策はまだまだ実施されていないのが現状である。そこで、今回のクローズアップは「セキュリティ」をテーマに各社の新製品を紹介する。

アイ・ティ・シー キャビネットの扉ごとに利用者の設定が可能
 アイ・ティ・シー(東京都昭島市)は重要書類や貴重品などのキャビネットを、指紋・静脈を鍵として管理する「指認証キャビネット管理システム」を発表した。
 同システムは、管理用パソコンとキャビネットをLAN接続することで、1台の管理パソコンにつき、64台のキャビネット。1台のキャビネットで36カ所の扉を開閉することができる。
 キャビネットの扉ごとに、利用者を設定することができ、キャビネットに搭載されたタッチパネルから、目的の扉を選択し、指紋・指静脈を読み取る場所に指を置くと、指がキャビネットの鍵代わりを務め、扉が開く仕組みになっている。そのため鍵の不正利用や、鍵の紛失などを防ぐことが可能だ。
 また、利用者ごとにキャビネットの利用履歴は全て管理用パソコンに保存されるので、誰がどのキャビネットをいつ利用したのか、すぐに分かるため、不正アクセス等のセキュリティ管理も可能である。 
       なお、キャビネットは22ドアタイプや10ドアタイプ、さらにオーダーメイドすることも可能なので、ユーザーにあった形のキャビネットを使用することができる。同製品は、ビル経営や、一般オフィスに欠かせない、契約書や重要書類の書庫や社員の更衣室のロッカー、企業の監理部署があるオフィスなど、幅広い活用の場がある。

セコム レーザー技術を防犯センサーとして実用化
 セコム(東京都渋谷区)は、新しい屋外侵入監視センサー「レーザーセンサー」を発売した。
 このセンサーは、レーザー技術を防犯センサーとして実用化したもので、これにより、目が届きにくい屋外の敷地への侵入者をより的確に監視できる。また、柔軟な監視範囲の設定が可能なだけでなく、監視範囲内の状況変化に応じて、監視範囲を自動的に再設定する自己学習機能を備えた画期的な屋外用防犯センサーである。ビルや建物への侵入や強盗の被害を防止するには、侵入者の接近をいち早く察知することが重要である。ビルの外周の敷地を監視することは、屋外の敷地やビルにある財産を守るだけでなく、建物への侵入を図る不審者を早期発見が可能となる。
 また、屋外で侵入者を監視する際、敷地の外周に赤外線を投受光する機器を1組設置し、その間をさえぎる侵入者を検知する方法が一般的だった。そのため外周全域を監視できるだけの台数を設置する必要があり、植栽や障害物がある場所では設置が難しかった。またそれをカバーするため、人の目の届かない場所に監視カメラを設置した場合、監視カメラの画像を監視する要員が必要であった。
 同センサーは、レーザーを最大30m、180度の扇状に張り巡らすことで、警戒したい区域を“面”で監視することができる。1台で広範囲を監視できるだけでなく、植栽や物置などの障害物がある敷地でも自由自在に監視範囲を設定するが可能。また、侵入者を検知すると、コントローラーが自動的に警報音で知らせるため、監視する人的負担も減らせる。

パナソニックシステムネットワークス 店舗向けの監視カメラ展開
 パナソニック システムネットワークス(東京都目黒区)は、固定焦点レンズ搭載ネットワークカメラ「DGーSP102」と、プリセットコンビネーションネットワークカメラ「DGーSC385」を発売した。  両モデルとも同社の「アイプロ スマートHDシリーズ」にラインアップされ、主に商業ビルや店舗向けの機能を搭載している。
 「DGーSP102」は、撮像素子に新開発1/5型MOSセンサーを採用し、小型ながらVGA(640×480)で30fpsのフル動画配信で滑らかな映像配信を実現した。コンパクトなデザインで、カメラを数多く設置する商業ビルや店舗に適している。
 また、PoE受電対応でカメラ電源工事が不要であるため、取り付けが比較的容易にできる。
 次に、「DGーSC385」は、1280×960および1280×720での30fpsのHD動画配信が可能で、高倍率と高精度回転機構、プリセット機能により1台で広範囲を撮影が可能となり、店舗内の様々な範囲を1台で監視したいといった要望に対応できる。




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