不動産トピックス
クローズアップ 断熱アイテム編
2010.11.22 14:57
12月が近づくにつれ、寒さが厳しくなり、ビル内で暖房設備を使用する機会が増えてきた。それと同時に、暖房費の節約や結露などの対策を取らなければならない。こうした問題に有効な建材の1つが「断熱材」である。ガラスや塗料、色々なタイプがあるが今回はその一部を紹介しよう。
エコロテック 使用電気量やCO2削減にも効果発揮
エコロテック(東京都渋谷区)は、消熱塗料「NEOCOAT(ネオコート)」と、遮熱断熱ガラスコート「Ecoclear(エコクリア)」を発売した。
ネオコートは、太陽から発生する熱を消耗させるエコ塗料である。一般の遮熱塗料の場合、太陽光(紫外線)を反射することで、室温上昇を抑制する効果がある。 ネオコートの場合、塗料の中に含まれるカルシウム系分子が、太陽光からの熱を振動エネルギーに変換させ、熱を消耗させる効果がある。そのため輻射熱が抑えられ、室温上昇を抑制するだけではなく、夏場はビルの屋上部分、道路、駐車場などに使用することで、ヒートアイランド現象の緩和効果がある。
さらに反射型の塗料は、使用期間が長くなるにつれ、塗料面に汚れが溜まり、太陽光が反射しにくくなってしまう。
しかし同製品は、塗料の中で熱を消耗させるので、表面に汚れが付着しても効果が落ちることがない。また、5~25℃の熱には反応せず、冬場は一般的な塗料と同様の効果のため、暖房効率負荷が下がることがない。そのうえ、結露防止効果や防水コートの保護効果がある。
一方、エコクリアは、断熱・遮断・結露抑制の効果を持つガラスコーティング材である。ガラス面に貼ることで、夏場は西日対策、室内温度を3~7℃抑制、紫外線を99%カットする。
冬場の場合、室内の保温に効果を発揮し、結露を抑制する。従来の断熱フィルムは鉛筆の硬度で2H程度が一般的であるが、同製品は4H以上の硬度で、傷が付きにくい。また同社の実験では、10年(コーティング材が取れない場合)の効果が持続するとしている。
「ネオコートを壁や屋根の塗料として、窓部分にエコクリアを使用すれば、室内において、夏場は涼しく、冬場は暖かく過ごすことができます。また使用電気量、CO2削減にも効果を発揮する商品となっております」(藤岡氏)
不二サッシ 空気層12mmの複層ガラスも使用可能
不二サッシ(川崎市幸区)は、ビル用環境配慮サッシComfort(コンフォート)シリーズ「Comfort CF」を開発し、販売を開始した。
「Comfort」は、可動障子の見付寸法を25mmに統一することにより、方立・無目の内外を細くし、さらに室内側からは、可動障子の框が見えない隠し框とすることで、透明感のあるシャープな意匠を実現している。
ガラス溝幅は20mmと36mmの2種類をラインアップし、単板ガラスの5mmから断熱性の高い空気層12mmの複層ガラスまで使用できる。
眺望・環境・デザイン性を高め、防火設備機能を備えた「Comfort CF」は透明感のある開放的なファサードを可能にする商品となっている。
同製品の最大の特長は前述した「透明感」のあるシャープなデザインである。こうしたデザイン性の高さとともに、枠込み70mmで防火設備に対応しており、防火設備に必要な最小枠見込み寸法70mmを基本とした断面構成となっている。
また、障子断面と部品共通化を図ることで、昨今のオフィスビルの外観でよく見られる「カーテンウォール」への対応も可能としている。
三協立山アルミ 断熱効果高いビル用サッシ
三協立山アルミ(富山県高岡市)は、ビル用サッシである「MTGー70」のスライディング系(引違い/片引き)のガラス障子に「35mm溝幅」タイプを加え、新たに発売している。
同製品の特長は、枠見込み寸法70mmで空気層12mmの複層ガラス対応する「35mm横幅」であることから、断熱性向上を図ることができる点である。一般複層ガラス(空気層6mm)との比較で断熱効率が向上しており、これにより空調負荷の低減も実現している。
また、遮音性能(Tー2〈30等級線〉)に適応しており、騒音を軽減することが可能。静かな室内環境の構築ができるとともに、周辺の音環境に合わせて性能を選択することも可能となっている。
同製品の標準色は、SLCシルバー艶消、SIシルバー艶有、GMCシルバーマット他10色から構成されるの全13色を取り揃えている。設定窓種は、引き違い窓2枚建、外動片引き窓、外動両袖片引き窓、コーナー外動片引き窓(出隅・入隅)、FIX窓となっている。
さらに、オプションとして、専用網戸も同時発売。カラーはサッシと同色で展開している。