不動産トピックス
クローズアップ 節水システム編
2010.12.06 10:47
オフィスや商業ビルにおいて、水道料金は毎月、必ずかかる経費である。そのため節水システムを導入してコスト削減を図ることができれば、目に見えて効果を実感することが可能である。また必要な経費が減ればビルを経営する上でも負担が減少する。ビルの経営者や、飲食店舗にとって設置する際の初期費用は勿論だが、水道料金はできるだけ抑えたいと誰もが考えることだろう。省エネ対策の観点からも節水対策を考えることは、ビル経営にとって重要な問題であり、今後考えるべき課題といえよう。
サンテール 蛇口部分に付け替えるだけで70%の削減可能
サンテール(東京都新宿区)は、蛇口部分に取り付けるだけで約70%の削減を実現できる節水器「eフィット」を発売した。同製品は平成21年に東京都中小企業振興公社によるニューマーケット開発支援商品に認定された製品である。
従来の節水コマの場合、蛇口の元に取り付け、水の出る開口部を狭くすることで20から30%ほどの節水を行うことができる。しかし、同製品は蛇口部分の先端に付け替えると言い、従来の節水コマとは逆転の発想を採用した。
また中央の水の流れを止め、その周辺に空けられた無数の穴からシャワー状の水を出す方式を採用し、この2つの仕組みによって、ソフトな手触りの水でありながら、勢いのある水を出すことが可能となった。
同社の行った実験結果では、手洗い1台当たりの水量が1分間6リットル流れていたのに対し、同製品の使用後は2・5リットルにまで減り、高い節水効果があることが証明された。
さらに、1週間の延べ使用時間を計測した結果、導入前、導入後の使用時間はほぼ変わらなかった。これは水の量が減ったからといって、水の使用時間を増やす必要がないということである。
その他にも同製品は、節水コマをすでに使用している水栓でも取り付けが可能で、その場合50%の削減が実現できるとしている。また水栓、混合栓、手洗い、自動水栓、どのタイプでも取り付けられることが可能である。
「同製品の取り付け方法は、水栓の器具の先についている泡沫部を外して、交換するだけです。そのため、水圧が低く、水量の少ない蛇口などで、即日で改善することができます」(土井内氏)
エントロン機械 整った気泡入り流水が節水に効果的
エントロン機械(東京都渋谷区)が発売している「eーシャワー」は、商業ビルや飲食店などの節水に効果的な製品となっている。
同製品は、同社が各蛇口の水圧・水量の事前調査を行ってから取り付けられ、30%から70%の節水効果が期待できると発表している。
同製品の特徴はヘッド部分にある網目である。水道から流れる水が、この特殊な方法で製作された網目を通ることで、整った気泡が混じり合う水が完成され、勢いよく蛇口から水が出てくる仕組みとなっている。
また一般的な節水コマの場合、手を洗う水が少量の場合、使用感が物足りず、つい沢山の流水を使用するケースがある。 同製品は空気を取り込んだ分、使用感を損なうことがないため、節水効果がより期待できる。
さらに同社が行った検証実験では、普通の水道水で洗物をする場合より、空気が入った流水もほうが、汚れが落ちやすいという結果が発表された。
その他に同製品は、現場に合わせた大きさの節水弁やパッキン部分が何種類か用意されている。そのため、現場にあった節水システムを導入できる。
同社業務企画室のプロジェクトリーダーである伊藤氏は「同製品と同じ技術を採用した、シャワーに取り付けるタイプの商品も用意されております。商業ビルの水まわり設備に取り付けることで、水道料金のコスト削減に効果が高いため、是非お役立て下さい」と語った。
オーム電機 低コストで設置できるトイレ用擬音発生装置
オーム電機(東京都豊島区)はトイレの節水に役立つ、トイレ用擬音発生装置「ミニ流水音発生器 OGHー1」を発売した。同製品は今年5月に一部の小売店にてテスト販売を実施しており、今回全国の量販店にて本格的に販売することとなった。
オフィスビルや商業施設などの公衆トイレの場合、利用者がトイレを使用する際に発生する音を消すために洗浄水を流すケースが多い。その洗浄水を無くすことができれば、水道代の節約、水資源の省エネにも効果が期待できる。
同社では一般的なトイレ用擬音発生装置が本体価格1万円を超える商品がメインとなる市場で、同製品は実勢売価を1000円前後と低価格であると発表している。
単3形アルカリ乾電池2本で約5000回使用でき、低コストで利用できる点も特徴の1つである。
また電池式を採用することで、設置も両面テープで取り付けるだけとなっており、大掛かりな設置工事をする必要がない。さらにボタン1つだけの簡単な操作方法を採用しており、ボタンを押してから約25秒後に自動停止、2度押しで中断が可能となる。
その他に同製品は付属品として、取り付け用両面テープ(本体に付着済み)、取り扱い表示シール、お試し用電池(単3形乾電池2本)が付いているため、より利用者が導入しやすい形を取っている。
同社では、オフィスや工場、学校、商業店舗、公共施設などの公衆トイレへの設置を訴求し、今後3年間で100万個の販売を目標とする方針だ。