不動産トピックス
今週の一冊
2011.02.14 10:14
地主・事業者双方が満足する契約書づくりとは
トラブル回避!事業用借地契約書のつくり方 新しい借地借家法の実務と活用法
著者 秋山 英樹・江口 正夫
出版社 清文社
発行 平成23年1月17日
価格 2000円(税別)
平成4年に制定された借地借家法によって、事業用借地権は定期借地権の中でも比較的多くの供給が行われてきた。しかし、事業用借地権は存続期間の上限が20年に限定されており、実際の不動産の現場ではやや使い勝手が悪い制度であったことは否めない。これを踏まえ、平成20年施工の改正借地借家法では名称を「事業用定期借地権」と改め、存続期間が10年以上50年未満に見直された。制度の汎用性は向上したといえるが、本書の著者によれば、地主・事業者の双方が互いに利益を享受するためには、事業用定期借地権設定契約書を制作することが課題であるという。
本書は借地借家制度の成り立ちから戦後の土地政策、借地借家法に至る経緯をおさらいしつつ、契約から事業開始の流れを解説。事業用定期借地権の活用法を細分化し紹介している。さらに、具体的なモデルケースに基づく契約書の作成法を掲載するとともに、巻末には事業用定期借地権設定契約覚え書のひな型を収録。今後事業用定期借地権を活用する者にとっての心強い一冊となるだろう。