不動産トピックス

クローズアップ 水処理装置編

2011.02.28 17:22

 ビルや工場などの建物内では、飲用はもちろんのこと空調設備等の稼働に際しても大量の水を使用する。この水環境は配管の劣化や不純物の堆積などによって徐々に悪化するため、定期的なメンテナンスならびにリニューアルが必要となる。今回は比較的容易に水環境を改善し安全性の確保に貢献する水処理装置を紹介する。中には、低コストや環境配慮といった特徴を有する製品も存在するようだ。

ベアトリックス 高い安全性とメンテナンスの容易性
 ベアトリックス(東京都武蔵野市)では、配管や冷却塔・クーリングタワーのスケール(カルシウムやマグネシウムの堆積物)除去・防止を行う配管用水処理装置「デジセイバー」の販売を行っている。
 同製品は磁場コイルによる電磁界によって、配管・機器などに付着するスケールを強力に除去・防止するもので、設置の容易性が同製品の最大の特徴である。同社代表取締役の銀川雅士氏は「配管等の水処理の方法として、薬剤や永久磁石の使用などが一般的ですが、当社の『デジセイバー』は高い安全性とメンテナンスの容易さが特徴です。また、機器の異常を機器自身が察知する『異常自己診断機能』を備えているので、万が一不具合が生じた場合でも早急な対応が可能となっています」と話す。
 また、同製品は小口径配管から大口径配管までのサイズフリー型で、過電流防止・断線停止機構を採用しているため、使用時の安全性が高い。このため、ビルの配管類からクーリングタワー、熱交換器、電気溶解炉、ディーゼルエンジンなど、様々な場面において幅広い採用実績を有している。
 「定期的な薬剤の使用が無くなるためランニングコストの削減に大きく貢献すると同時に、水環境を長期間にわたって良好な状態で維持することが可能です」(銀川氏)

ドーラ スピーディなスケール除去を実現
 ドーラ(東京都練馬区)では、水処理装置「ピュアドーラ」による水環境の改善を行う際に、スケール除去時間を短縮する洗浄剤「ダイナミック・デスケーラー」の併用を提案している。
 磁気による水処理はクーリングタワー等のスケール除去に大きな効果を発揮するものの、効果が現れるには一定の時間を要してしまう。そこで同社では、米国・英国海軍で効果が認められた高い洗浄能力を誇る「ダイナミック・デスケーラー」での、スピーディなスケール除去を実現している。この洗浄剤は一般的な洗浄剤と比較して2~3倍の洗浄スピードを有しており、また、金属腐食が少ないため従来工法のように処理液を使用することなく同製品のみでの洗浄が可能となっている。機械洗浄ではないため、クーリングタワーや熱交換器の損傷が起きることもない。
 同社が行った実験によると、「ダイナミック・デスケーラー」の100%液の中に主にカルシウムでできているアサリの貝殻を投入したところ、直径5cm程度の貝殻を約5分で溶かしたとのこと。さらにタンパク質に対してはほぼ無害であることから、同製品は手に触れても害はないとのことである。

ニューマチック コンピューター制御で電磁波を流す
 ニューマチック(東京都文京区)では、環境問題を重視した配管スケール付着防止装置「スケールクリーン」を開発。ビル・工場での採用事例を伸ばしている。
 同製品はコンピューター制御によって波長の異なる電磁波を、配管に巻きつけたコイルに1秒間に5000回流すという仕組みで、配管中を流れる液体のスケール成長防止・除去に効果を発揮する。コイル内で発生された電磁界をスケールが通過すると、スケール同士が衝突を繰り返し細分化。細かくなったスケールが既存スケールに更に衝突し、破壊するため、管内のスケール除去を可能とするのだ。その高い効果が評価され、これまでの多くの工場・ビル内のクーリングタワー、熱交換器、ボイラなどで同製品を用いた水処理が実施されている。
 過去の事例では、火力発電所の排液移送管で同製品のスケール除去を実施したところ、約8カ月後には管内のスケールがほぼ除去されたことが認められ、その後の調査でもスケールの成長は見られないということである。




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