不動産トピックス
クローズアップ 入退室管理編
2011.04.04 15:31
入退室管理などビルの防犯性が低いと犯罪グループから狙われてしまい、情報漏洩などの被害に遭いやすいといえる。入居テナントの安心・安全面を守るためにも防犯対策は重要である。今回は、入退室管理に効果的なサービスや機器を紹介する。
シーズンテック 様々なICをエントランスのキーとして登録可能
シーズンテック(名古屋市中区)はセキュリティ事業などを行っており、既存のシリンダー鍵の併用が可能であるIC電気錠の「シリンダーICロック」などの企画・開発をしている。
今年の2月からエントランスの価値向上と入退室管理の簡素化を実現したIC認証式オートロックの「エントランスIC5000」を展開しており、ビルやマンションからの引き合いが強くなっているという。
「『エントランスIC5000』は、集合玄関の操作パネルにある鍵穴やテンキーなどの従来の機能を残したまま、新規物件から既存物件まで装着して、IC操作およびオートリモコン機能の追加をすることができます。そのため、IC認証はもちろんのこと、鍵やテンキーでも施錠・解錠を実現し、万が一の機器のトラブルでも対応が可能です」(取締役 推進部長 東京営業所所長 蓑島 浩 氏)
また、社員証やおサイフケイタイ、フェリカなどのICカードなど、ユーザーの持ち物でエントランスのキーとして利用することができる。
「最大でICは5000件、オートリモコンのIDで4000件を登録が可能であり、専用端末の『データ・ターミナル』を介して、データを管理しているパソコンでの編集作業を行ってから、現地でのスムーズなアップロードを実現しております」(同氏)
さらに、「シリンダーICロック」のICデータおよびオートリモコンのIDを、「エントランスIC5000」に移植することができるため、同社の関連製品との連携が可能になっている。
三和シヤッター工業 生体認証を一体化したドアを販売
三和シヤッター工業(東京都板橋区)では、生体認証を一体化した軽量スチールドアの「ヴィーナスロック」を販売した。
同製品の特徴は指静脈認証装置をドアの枠に組み込み、認証装置の上に指を置くだけで素早い施錠を可能にし、入退室の管理を行うことができる。情報の偽造やカギ・パスワードのような紛失の心配がないためセキュリティ性が高く、カードや暗証番号の入力など操作の省力化も実現している。万が一、不正に解錠された場合にはブザー音で知らせるほかに、ドアが開けっ放しでも30秒後にブザー音が鳴るようなっている。
また、入室履歴を確認したい時は、専用ソフトの入ったパソコンを認証コントローラにつなげば100万件まで参照することができ、指静脈情報の登録・削除を行う際に室内の認証コントローラにより99人までの登録が可能である。
デザイン面は配線が扉の枠の中を通っているため、見た目にもすっきりとしてデザインとなっており、簡単に設置することができる。主な設置場所は、小規模オフィスや医療・福祉施設など。単独での取り付けはもちろんのこと、ネットワーク化にも対応が可能となっている。
高千穂交易 オールIP化で配線を大幅に削減
高千穂交易(東京都新宿区)は、北アイルランドのCEM社(米国Tycoグループ)が開発したインテリジェントIPカードリーダーを使用した、企業のオフィスや工場、データセンターなどの施設に効果的なオールIP入退室管理システム「AC2000」を販売した。
同製品は、システムの核となるソフトウェア「AC2000」を搭載した管理端末(PC)、コントローラー(制御盤)、IPカードリーダー間のプロトコルが、全てIP化されているため、既設のLANケーブルを利用すれば新たな配線の敷設を最低限に抑えることが可能であり、コントローラー1台で最大128ドア(256リーダー)まで一元管理できるので、コントローラーの節約にも繋がってシステムの導入コストの大幅な削減を実現している。
また、本社などにコントローラーを1台設置すれば、他の拠点ではIPカードリーダーのみの設置で運用することができ、分散した複数拠点の入退室管理に最適である。さらに、本社、拠点(支社/営業所、工場、データセンターなど)間のデータ通信に際しては、データが暗号化されるため、高いセキュリティレベルを可能にしている。
写真付きIDカード作成ソフトが標準で装備されており、カメラシステムメーカーのアメリカンダイナミクス社(米国Tycoグループ)との連携により、入退室と映像システムの一元管理をすることができる。