不動産トピックス

クローズアップ レンタルオフィス編

2011.04.18 17:21

 大型ビルの供給が増えており、一度、空室が生じてしまうと、なかなかテナントが決まらない背景もあるため、レンタルオフィスの導入も十分に考えられる。今回はレンタルオフィスを展開する各社の取り組みを紹介していこう。

フィル・カンパニー 事業のスタイルや進捗状況によりオフィスの拡張が可能
 フィル・カンパニー(東京都目黒区)は、インキュベーション・オフィス「フィル・ポート(Phil Port)」を今年から展開している。
 同社は、駐車場上部の「未利用空間」を活用した店舗の企画・開発・運営などを行っており、都心の「未利用空間」であるオフィスビルの空室対策として、インキュベーション・オフィスの企画運営事業を開始した。
 「フィル・ポート」はJR・東京メトロ「新橋」駅の直結という好立地に位置し、秘書代行サービスをはじめとする各種ビジネスサポートを完備。1名用ブースのほか、2名用ブース、フリースペースなど事業のスタイルにより選択することができ、事業の進捗にあわせてオフィスの拡張が可能である。
 また、初期費用は他の多くのインキュベーション・オフィスに比べて割安に設定されており、起業家の初期負担を軽くする一助となっている。
 「起業家はもちろんのこと、志の高い人々が集まる空間として共に成長(フィル=共存共栄)していける場を提供し、新たな出発地点かつ出会いの場(ポート=港)となることを目指して取り組んでいます。将来的には『フィル・ポート』出身の起業家に対して、当社が展開している空中店舗開発事業の『フィル・カンパニー』の物件を紹介してご利用して頂くことも検討しており、各事業間の連携も視野に入れて起業家の支援を行っていきたいと思っております」(代表取締役社長 高橋 伸彰氏)

未来予想 レンタルオフィスに貸し会議室を併設
 未来予想(東京都港区)は新宿、六本木、青山エリアにてレンタルオフィス「クロスコープ」を展開している。
 「クロスコープ」は、利便性の高い立地のオフィスを1名からでも安価に提供しており、ベンチャー支援の経験豊富な専門スタッフが常駐して起業家のサポートを行っている。同社では上場企業の輩出実績を持っており、入居起業家同士の交流会などを実施し、事業の相乗効果を促すインキュベーション・コミュニティをコンセプトに運営を行っている。
 平成22年11月には、「クロスコープ新宿」にて貸し会議室(セミナールーム)を併設し、オープンしている。売り上げ拡大が最も重要であるベンチャー企業にとって、自社製品やサービスの訴求を目的としたセミナーや説明会は、重要な営業活動の一つとなる。しかし、自社内に多くの人数を収容できる会議図ペースを持つベンチャー企業は少ない。
 同社ではそうしたベンチャー企業が安価で活用できるよう、平成22年7月にオープンしたレンタルオフィス「クロスコープ新宿」に格安の貸し会議室を併設。JR「新宿駅」徒歩4分と都心の利便性と好環境を兼ね備えている。大会議室と小会議室の全2室、数名から最大42名まで幅広い人数に対応でき、施設内には控室として会議室(計8室)を完備。今回のオープンは、「クロスコープ青山」に続いて2拠点目になる。

丸高産業 銀座で格安のオフィス空間を提供
 丸高産業(東京都中央区)では、起業家支援事業としてレンタルオフィスユーザーの目的にあったオフィスを格安で提供する「ベンチャーデスク銀座」を運営している。この「ベンチャーデスク銀座」は、東京メトロ「銀座」駅より徒歩5分に位置しており、同社によれば、初めて商売を始める起業家やこれまでの場所からの移転先としても、快適に利用できる空間が整備されているとのことである。
 また、同施設が設置されているビルは、物件全体を中堅規模のオフィスフロアとして賃貸しているため、治安が良く清潔感のある環境が特徴となっている。また、銀座というブランド性のある土地にて250坪のフロアを使用した同施設は、ビジネス交流会・マッチングシステムなどの営業支援、各種セミナーや勉強会の開催、税務やホームページ作成などの相談窓口の設置など、幅広い用途での活用も可能となっている。
 同施設を利用する際の初期費用に関しては、入会金・共益費が0円であり、月額使用料としては、デスクタイプが1万円から6万円まで4種類。グループタイプが9万円の5種類となっている。

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