不動産トピックス

クローズアップ 清掃用品編

2011.04.25 15:55

 東日本大震災以来、電力問題が浮き彫りになっている。計画停電は原則的に実施しないとのことだが、今夏は電力不足が予測されており、テナントビルに対する節電対策も求められている。こうした節電の気運は、清掃の現場にも波及している。清掃の作業時間がどれ程かかるか把握しているビルオーナーは少ないと思うが、昨今の清掃用品も省エネ、環境配慮を前面に打ち出した製品が多数開発販売されている。

オーブ・テック 作業時間を4分の1に削減可能
 東日本大震災以降、ビルの省エネが求められている。ビルの消費エネルギーの中でも大半を占めているのが、照明設備と空調設備であり、これらの設備を省エネ型に変更するだけでも大幅な消費エネルギーの削減が可能となる。ただ、こうした設備更新に加えて、ビルの清掃管理業務においても省エネを求められる傾向が高まっている。
 「当社が洗浄剤を提供している清掃管理会社も、清掃の現場において、省エネが求められていると話しています」(オーブ・テック 代表取締役 筒井 和夫氏)
 筒井氏が話すように、清掃の現場においても省エネの取り組みは決して他人事ではない。特に大型ビルなどでは、清掃する範囲が広いことから、作業時間の短縮が省エネに直結する。
 オーブ・テックはアメリカで販売されている洗浄剤「スペースショット」の総合販売代理店である。この「スペースショット」の特徴は、通常の洗浄剤であれば、洗浄剤の使用後にぬめりを取るために数回にわたって、床を水洗いしなければならないところ、水洗いする必要がない点である。一般的な洗浄剤は、使用されている成分石油系洗剤であるため、ぬめりが発生する。しかし、「スペースショット」は植物系洗剤であることからぬめりが発生しない。そのため、水洗いに費やす作業時間を4分の1に短縮することが可能となり、結果的に清掃用品であるポリッシャーなどを使用する際に発生するエネルギーも削減することが可能となる。
 「スペースショットは、隅田川にも流すことができるほど、環境配慮を意識した洗浄剤となっています。その特徴は水洗いをする必要がないため、作業時間の大幅な短縮が可能となり、水の無駄使いを減らすこともできる点です。今回の東日本大震災によって、ビルの節電、省エネの流れは加速しています。当製品は、こうしたニーズにも応えることができるものと思っています」(筒井氏)
 すでに同製品は、新宿・品川・汐留などの高層ビル群、JRの駅構内、帯広空港などで使用実績を重ねている。また、使用環境を選ばず、床面の清掃だけでなく、外壁タイルの洗浄などにも使用することも特徴と言える。

リンレイ 従来のファンと比べ風量2倍
 リンレイ(東京都中央区)は、送風機メーカーのスイデン社とともに開発した「パワフルファンシリーズ」を発売した。
 同製品はワックスの感想時間を大幅に短縮させるために開発された業務用ファンであり、軽量コンパクトで省スペースの「ハンディ」、持ち運びが楽なハンドル付3つ足タイプの「スタンド」、トレー付きのスタンダードタイプの「ボックス」の3種類を用意している。
 従来のファンと異なる点は、最大風量が165㎥/minと従来製品と比較して約50%風量がアップしている点である。これにより、乾燥に必要な時間も50%近く削減することが可能となった。また、風の到達距離も21mと大幅に延長されており、ワックス塗布に費やす作業時間の短縮に寄与する。

ユシロ化学工業 新開発のアルカリ材配合でムラのない仕上がり
 ユシロ化学工業(東京都大田区)は、表面洗浄剤である「ハイブリッド クリーナー」を発売している。
 同製品の特徴は、洗浄とはく離の中間の洗浄が可能であることから、黒ずみ、深い傷の除去が可能な点である。加えて、高い洗浄効果で皮膜の過剰な蓄積が防止され、はく離周期の延長とはく離作業の軽減も実現している。
 また、従来の洗剤では、洗浄力の強さを求め洗剤を濃く使うと、仕上がりにムラが発生するという問題点も存在する。この点においても、同製品は新開発のアルカリ剤を配合しているため、一定レベルで浸透が止まり、ムラの無い仕上がりが可能となる。さらに、高濃度で使用してもべたつかないので、洗浄後の床面もきれいに仕上がる。




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