不動産トピックス

今週の一冊

2011.09.05 11:05

相続税対策の裏ワザを専門家が指南

相続財産は法人化で残しなさい
著者:阿藤 芳明
出版:幻冬舎メディアコンサルティング
発行:平成23年8月29日
価格:740円(税別)

 財産の相続に関しては、「相続が三代続くと財産はなくなる」と言われるように、相続税が大きな負担となっている。すなわち、相続税対策をいかに行うかが相続を円滑に終えるためのポイントとなる。著者は税務調査官を10年強務めた後、会計事務所での勤務を経て、税理士事務所を設立し、資産税に関する数多くの案件を取り扱ってきた。そうした経験を基に、著者は本書を通して法人化による財産相続を、円滑な相続の一手として提唱している。
 一見すると相続税と法人化は結びつきがないように感じられる。だが、法人は個人に比べて様々な税務上のメリットを受けることができる。また、個人の所得税も法人の法人税も、利益の状況に応じて課税されることから、広範囲の項目が経費扱いにできる法人名義の方が、最終的に税負担の軽減幅を大きくすることができるのだ。本書は不動産に関する税法の解説に始まり、法人化による財産相続のノウハウ、そして税務署OBの著者だからこそ知りえる税務調査の実態が付録として収録されている。相続の本来の目的は「いかに円満に完了できるか」である。この原点に立ち返り、相続を遂行するための一助として本書をご活用いただきたい。




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