不動産トピックス

クローズアップ 再生可能エネルギー編

2011.12.12 11:53

 寒い冬がやってきた。今年の冬はビルにおいても夏同様に「省エネ・節電」を求められる。省エネや節電に取り組むことと同時に、ビルで可能な再生可能エネルギーの導入についても検討してみてはいかがだろうか。

住ベシート防水 防水シートと一体化 様々な場所に設置可
 建物全般の防水に携わり35年の実績を持つ住ベシート防水(東京都品川区)では、防水シートと太陽光モジュールが一体となった「サンロイドDNシート」の販売を展開している。同製品は、3年間分の実証実験データをもって、昨年3月から販売されている。
 太陽電池モジュールを固定する金具などが不要であり、1㎡あたり約2・5kgと非常に軽量であることと、柔軟に曲げることができるシートであることで、従来では太陽光パネルなどを設置することが出来なかったような、さまざまな構造下地への施工が可能になった。
 同社の取締役市場開発部長・世良昌也氏は、製品について次のように話している。
 「軽量で高い柔軟性を持つこの製品は、施工にかかる期間も短く、特に改修工事に向いているものと考えています。太陽光発電という差別化された防水改修を、この製品からご検討してみてはいかがでしょうか」

カナディアン・ソーラー・ジャパン 積雪の荷重にも耐える設計 公称最大出力190W実現
 世界有数の太陽電池モジュールメーカー・カナディアン・ソーラーの日本法人であるカナディアン・ソーラー・ジャパン(東京都新宿区)では、単結晶シリコンモジュール「CS5Aシリーズ」を販売展開している。
 72枚の太陽電池セルから構成されている汎用太陽電池モジュールで、系統連携用および独立電源用として設計されている。米・カリフォルニア州において、PTC(PVUSATest Condition)による審査で効率トップランキングの評価を得ている。また、積雪などの高い荷重にも耐えられるような設計がされている。
 同シリーズの「CS5A―190M(bf)」では、モジュール変換効率14・9%、公称最大出力190Wを実現する。
 デザイン面においては、白のバックシートと、黒のアルトマイト処理を施したアルミフレームを採用しており、景観を損なうことなく、外観にこだわりを持つユーザーにとって最適である。

LOOOP 工夫の設置で利益と生み出す太陽光発電を
 今年4月に設立したLOOOP(東京都文京区)では、太陽光パネルや関連製品の販売を行うほか、山梨県に16・6kwの自社太陽光発電所を設置するなど、太陽光発電に関する事業を広く展開している。現在、来年1月の稼働開始に向けて、山梨県に新たな50kwの太陽光発電所の設置準備に取り組んでいる。
 同社が行うビル向けの太陽光発電システムは、屋上面積が80㎡以上あれば設置が可能であるという。パネルの設置方法などを工夫することで、ビルごとの屋上の仕様に合わせた施工が可能であり、さまざまな屋上での設置を実現する。発電量の目安は屋上面積の平米数に対して、およそ10分の1の電力(kw)を発電することが可能であるという。
 同社の代表取締役社長である中村創一郎氏は、次のように話している。
 「太陽光パネルは特別な維持管理が必要でないため、ビルオーナーの方の管理面での負担もほとんどありません。余剰電力の売電や、非常用電源としても活用できる、利益を生み出す太陽光発電を、ぜひ検討をしてみてはいかがでしょうか」

FUJITAビジネス・パートナーズ 小型の風力発電排気利用も
 FUJITAビジネス・パートナー(東京都港区)では、再生可能エネルギー製品の開発および販売を行うなかで、空力デザインと揚力デザインを駆使して作った、垂直タービン型風力発電機「望(のぞみ)」シリーズを展開している。
 円筒型サボニウスローターと、かくはん機に似た3枚のダリウスブレードを組み合わせることで、高効率発電を実現している。最大モデルDS3000の場合、12m/sの風が1時間継続すると3000w/hの発電が可能である。他には1500w/hのDS1500、300w/hのDS300というタイプもあり、用途や設置場所によって選ぶことができる。また、小型のため騒音問題などもないという。
 同社の代表取締役社長である古田修嗣氏は、次のように話している。
 「オフィスビルなどの屋上へ、じかに設置することが可能で、保守の手間や費用といった負担も少なくて済みます。排気口やエアコンの室外機などから出る風力が利用できるような設置や、小型の太陽光パネルを付属させることも可能です。現在オフィスビル設置の際のデータ収集のため、ご協力いただけるビルを募集中です。設置費用などはモニター価格を考えておりますので、ぜひご検討いただければと思います」




週刊不動産経営編集部  YouTube