不動産トピックス

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2012.07.16 10:05

第一カッター興業 多大なメリットをもたらす新たな床仕上げ工法
 「切る・はつる・洗う・剥がす・削る」を行う専門施工業者の第一カッター興業(神奈川県茅ヶ崎市)は、欧米の大型商業施設等で採用されている床面の硬強度鏡面仕上げ工法「プラチナコンクリートフロアー」を展開している。
 日本における床仕上げは床材料を「塗る・貼る」ことが一般的だったが、同工法はコンクリートの素地を直接研磨する画期的な床仕上げ工法だ。コンクリート床を鏡面状態になるまで磨き上げ、照明が反射するほどの光沢と優れた強度を生み出すという。
 「外国企業では、ウォルマートやイケヤ、カルフールといった世界的な商業施設で導入されています。その理由はメンテナンスフリーのため、ライフサイクルコストを低く抑えられることと、環境負荷の低減のためです」(同社下地処理工事部 部長 岡本秀雄氏)
 日本の商業施設は、コストメリットの高いセラミックタイルを導入するケースが多いが、割れた場合、タイルを交換する必要があり、すべて産業廃棄物となる。さらに、Pタイルの場合、ワックス処理した廃液も産業廃棄物となる。また、表面に傷がつきやすく汚れが取れ難いという問題もある。一方、コンクリートを研磨する同工法はコンクリートの脆弱部分を完全に除去すると共に、表面強化材を塗布し、表面硬度をコンクリートの約10倍程度まで高め、衝撃に強く傷つきにくい床面を形成、破損する心配はなくなる。
 また、日本でも昔から床面を磨き上げる工法は存在し、「人研(じんとぎ)」と呼ばれ、職人による手作業で行われていた。しかし、この方法では1日の施工面積は2㎡程度で、日数とコストが掛かる上、さらに技術力のある職人が少なくなっている。一方、同工法は大型研磨機を使用し、施工面積は2日間で約100㎡と効率性も大幅に上昇した。

ハウス119 簡単施工で快適な音空間を実現
 ハウス119(福岡市中央区)が開発した「ルームクリエータ」は、調音・遮音・音響空間の拡張効果を備えた新しい調音材だ。厚さはわずか21mmのパネル状になっており、壁や床、天井などに貼り付けるだけ、室内のあらゆる場所に設置することが可能。室内に響く音の乱反射を防ぎ、素材から微弱な遅延反射音を発生させることで、音響空間の改善を実現する。また、自立パネルや壁面ボードとして設置場所を移動できるのも魅力だ。
 従来の吸音材は、単純に雑音を吸収するか、一定の反響のみを調整するものが主流であり、耳に届く音に違和感を覚えることも多かった。同製品はそうした欠点を解消。外部からの透過音を遮断できるよう、周波数帯域の音で500分の1以下を実現。さらに、全周波数でほぼ均一の吸音特性を備えているが、あえて10%の反射を設けることで、音質や音色を変えることがなく、自然に近い音を感じることができる。
 製品バリエーションは、壁の間や天井裏に貼る下地状のスタンダードタイプ、下地用に生地を巻いた自立式パネルタイプ、木枠・裏板で加工し、簡単に設置できる壁掛タイプの3種類。様々な場面で最適な音環境実現をサポートしてくれる。

三和シヤッター工業 高い気密性を有する高速シートシャッター
 三和シヤッター工業(東京都板橋区)は、高速シートシャッター「クイックセーバーS13」を7月13日から全国発売すると発表した。
 同製品はカーテン部分がポリエステルやポリプロピレン製のシートで構成され、一般の鋼製シャッターに比べて10倍~20倍の高速で開閉することが可能となった。温度差や風などによる開口部からの空気の流出入を最小限に抑えることができ、食品・医薬品工場や精密機械工場など、気密性が重視される屋内の通用口向けのシャッターである。風やほこり、虫の流入を抑制すると共に、室内の急激な温度変化を防ぐことができ、商品の品質保持や快適な作業環境の維持に役立つ。さらに、空調効率も向上し省エネにも寄与する。
 製品サイズは幅1~3m×高さ1~3m、シート端部をファスナー化することで、A―3等級と同レベルの高い気密性を有している。また、従来は外部に露出していた制御盤をケース内に操作スイッチと障害物検査装置をレールに内蔵することができ、すっきりとした見た目となり、配線作業が少なく、施工の短縮化を図ることができる。
 また、高速開閉を実現したことで、危険性が高まったように思えるが、人や車両の通過によって光電センサが素早く作動し、下降中のシートシャッターが停止。ボトム部分には衝撃緩衝ゴムを取り付けている他、フォークリフト等が接触した際にはレールからシートが外れて衝撃を吸収する「ブレークアウェイ機能」を搭載。外れたシートは一度上まで巻き上げるだけで自動的にレールの軌道に戻る「自動復帰機能」も標準装備されている。




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