不動産トピックス

ビルオーナーのための建築・設備最新情報

2012.07.23 17:38

イサム塗料 紫外線カットする窓コーティング剤
 省エネ・節電はすでに恒常的な課題といっていい。イサム塗料(大阪市福島区)の「E―coat+(エコートプラス)」は、窓ガラスにコーティングするだけで室内を快適にするコーティング材。紫外線をカットすることで、夏季は室外から室内への熱の伝わりを抑制して室内の温度上昇を抑え、冷房効率アップにつなげる。
 冬季には室内暖房による赤外線を吸収して室内の熱が室外へ逃げるのを防ぎ、暖房効率アップにつながるという。
 ガラスの上部からランプを照射して温度変化を調べた実験では、同製品を塗布したガラスと塗布していないガラスの間に10℃以上の差がでたことが確認されており、有用性は充分だ。無機系のバインダー(樹脂の一種)を主成分としているため太陽光やその他の自然条件による劣化がほとんどない。完全硬化した後は3H~4Hの硬度を発揮。日常生活における使用であれば傷が付きにくい硬度で、長期的な耐久性にも優れている。
 施工はガラス内側への塗布だが、塗料は1液タイプのため現場での調合作業が不要。軽量ミスなどによるトラブルの心配もなく、また特別な機材も不要。ローラーで施工えきるため工期の短縮も実現している。さらに可視光透過率は約80%となっており、視界を妨げることもない。建物内外からの景色は施工前とほとんど変わりなく、ビルの美観を損ねることもない。建物において熱の出入りが最も多いといわれている窓の熱対策に寄与する製品といえるだろう。

ニチベイ 省エネに寄与するブラインド
 ニチベイ(東京都中央区)から、遮蔽性の高い横型ブラインドが発売された。
 一般のブラインドと比べ日射遮蔽性能(日射熱取得率)が高く、ブラインドのスラッド幅が25mmのもので20%以上、35mm幅で17%以上の高遮蔽性を実現した。断熱性はさらに高く、25mm幅で70%、35mm幅では90%以上も高い性能をもつという。空調効率の向上による節電・省エネに高い効果が期待できそうだ。
 ラインアップも豊富だ。コードが1本のスタンダードな「ユニコンモア」、ワンタッチでブラインドがゆっくり降下する「ユニタッチ」のほか、電動タイプも用意されている。いずれの製品も、汚れに強い酸化チタンコートにすることも可能。さらにブラインドの両サイドと下部に取り付けるフレームもオプションで用意。フレームを取り付けることで遮蔽性はさらに高まるという。カラーバリエーションは最大42色から選ぶことができる。
操作の利便性も向上している。これまで面倒だったブラインドの高さ調節は、取り付けた状態のままマイナスドライバーやコインで行うことができるようになった。コードの取り付け位置も左右どちらでも切り替えが可能で、オフィスのレイアウト変更などにも対応している。高さは最大430cmまで制作可能で、ビル内であれば取り付け場所を選ばないといっていいだろう。省エネ性と使い勝手を両立させた製品といえる。

シンコール 下地化工で「磁石がつく壁」に
 壁にポスターやカレンダー、書類などを貼る際、普通は画鋲やテープ、糊を使用する。この概念を覆す壁紙下地材が、シンコール(東京都港区)から発売されている。
 「マグマジック」は磁力を応用した壁紙下地材。形態はシート状で、石膏ボードなどの下地と壁紙の間に挟みこんで施工する。磁力を持つ下地材を壁紙の下に貼ることで壁全体に磁力を持たせることが可能となるため、これまでのように掲示物を貼るのに画鋲やテープなどを使用する必要がなくなる。壁紙に傷をつけたり下地ボードに穴を開けたりといった心配もなくなり、室内を綺麗なまま保つことも可能だ。先の尖った画鋲を使用することがなくなるため安全性も高まる。また「マグマジック」を施工した場所であればどこでも磁石がつくようになるため、掲示物のレイアウトの自由度も高まる。フックを取り付ければちょっとしたアイテムを吊り下げたり、あるいは小型の棚を取り付けることも可能になる。オフィス内であればその可能性はさらに拡がりそうだ。ラインアップは2種類。冷蔵庫の表面などに採用されている素材を使用した「SPタイプ」は安定した磁力をもつ。化粧版同様の美しい外観のため、上から壁紙を貼ることなくそのままでも使用可能だ。一方の「Nタイプ」は柔軟性があり、曲面にも施工できる。カッターで切断できるためあらゆる箇所に施工可能となっている。

NTTファシリティーズ 省スペースのデータセンター専用空調機
 発熱量の多いデータセンターにおける空調機の課題は、冷却効率と省エネ、省スペースの3つに絞られるといっていいだろう。NTTファシリティーズ(東京都港区)から新型のデータセンター用空調機が発売された。
 「FMACS-V slim LL」は、設置スペースや搬入ルートに制約のある都市型大規模データセンターに対し、卓越した省エネ性と高い信頼性を提供する。設置面積あたりの冷房能力は従来型の「LL」に比べ34・4パーセント向上。設置面積あたりの処理能力は同じく12・5%向上している。
 室内ユニットは「slim L」から採用している高静圧・高効率ターボファンを搭載。ファンモーターの直流化による小型化などと合わせて省スペース化を実現した。室外ユニットも熱交換器などの配置に改良を加え、「LL」と同等の設置面積ながら処理能力向上も実現。
 また高効率ターボファンの採用とモーターファンのDC化によりCOPは年間平均4・5を達成。一般的な電算用空調機と比べ、年間消費電力は約40%低減されるという。
 従来のラインアップは冷房能力(顕熱)56kW(20HP)~9kW(3・2HP)までの4パターンだったが、今回発売した「slim LL」は63kW(22HP)で、全5パターンとなった。

東芝ライテック リモコンで電力の見える化
 東芝ライテック(神奈川県横須賀市)は、高効率化とリモコンによる電力の見える化機能を搭載したLEDシーリングライトを発売した。
 効率の良いLED素子の採用や素子の数量・配置を見直し、専用の点灯用電源回路を開発。またカバーに高拡散材質を採用したことで機器の高効率化を実現した。さらに光源を覆うレンズケースとの組み合わせにより、光のムラがなくきれいに光る発光面としたという。シーンに合わせて明るさや光色が選べる調光・調色機能もついている。
 リモコンには、明るさを調光した際に消費電力の削減量を確認できる機能を搭載。明るさセンサー「楽エコ」を搭載したタイプなどを8機種をラインアップ。なかでも14畳タイプは調光・調色機能に加え、器具上部にもLEDの間接光を配置。上下の明かりにより「ひろがりモード」「くつろぎモード」「シアターモード」の3つのモードを切り替え可能で、シーンに合わせて演出できる。無理なく、楽して省エネできるだけでなく、明かりを楽しむこともできる製品だ。

パナソニック 光色ラインアップ充実の有機EL照明
 パナソニック(大阪府門真市)は、有機EL照明デバイスにおいて、従来の電球色(3000K)に加え、昼光色(5000K)と白色(4000K)をラインアップした。Ra90以上の高い演色性と高輝度を世界最高水準で両立し、1万時間という高寿命と照明用途に最適な性能をバランスよく実現したという。有機EL照明パネル単体とモジュールがラインアップされている。
 パネル単体の厚さは約2mmで、照明デザインの自由度が拡がるほか照明機器の軽量化にもつながる。一方のモジュールは厚さ約9mm。「スライドイン構造」により、発光部の取り替えが簡単かつ安全にできる。  視野角依存性にも優れ、見る角度による色の違いを低く抑えている。効率は、パネル単体で26~30ルーメン/W、モジュールで17ルーメン/Wとなっている。昼白色、白色、電球色という展開により、用途に応じた選択が可能だ。
 同社では「有機EL照明ならではの優しく均一な発光面のよさを生かせる市場への提案を、グローバルに進めていく」としている。次世代照明といわれていた有機ELの時代は、すぐそこまで来ている。




週刊不動産経営編集部  YouTube