不動産トピックス

今週の一冊

2012.09.03 17:44

潜在的な「強み」を見出す経営者のノウハウ

強味の源泉「経営理念」を活かしたマネジメント
著者:横田 透
出版:現代書林
発行:平成24年8月15日
価格:1300円(税抜)

 横浜国立大学を卒業後、政令指定都市の職員、民間企業数社での勤務を経て、つくば未来経営コンサルティング事務所を設立し中小企業診断士として活躍する著者は、不況の中で苦境に立たされている中小企業を目の当たりにしている中で、各社が潜在的に持っている「強み」に気付かず厳しい経営を強いられている現状を指摘している。
 中小企業診断士である著者の視点から、本書は中小企業経営における「強み」の見つけ方から始まり、事業を拡大していくための経営理念の重要性と、経営者の心構えを指南。この他、創業100年以上の老舗企業の経営ノウハウや、経営難に陥っていた企業の再建へのプロセスを紹介。その実例として、観光客招致に成功したローカル線を運営する、ひたちなか海浜鉄道の吉田千秋社長の経営術を収録。同氏は鉄道路線の運営に留まらず地域の活性化を目標に様々な取り組みを地域住民らとともに実践。自動車が主流の地方交通の現場において地域の「やっかいもの」となることなく、通勤・通学の利用者ならびに全国からの観光客に愛される存在となった。どんな企業にも必ず無形の「強み」は存在する。その「強み」を経営者がいかに理解し、経営に生かしていけるか。特に経済が不安定な今こそ、経営者の手腕が試されているといえる。本書はより良い事業経営への道筋をサポートする一冊となるだろう。




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