不動産トピックス
クローズアップ 防災備蓄食品編
2012.09.17 16:17
9月1日の防災の日を経過し、あらためて防災意識が高まっているところだろう。内閣府の発表によると「南海トラフ」で巨大地震が起きた際、最大32万人の死傷者が出るとの結果も出た。備えあれば憂いなしという言葉もあるように、オーナーとしてはいつ災害があっても対応できる体制を整えておきたい。今回は、防災備蓄食品を特集する。
ホリカh-ズ ライフラインが途絶えても温かい食事が可能
非常食などの製造・販売を展開しているホリカフーズ(新潟県魚沼市)では、火や水(お湯)、電気がなくても温かい食事ができる「レスキューフーズ」を販売している。専用の発熱剤・発熱溶液を使用して食料を温めるため、水道、電気、ガスというライフラインが途絶えてしまった状況下でも、およそ20分(冬季は30分)加熱すると、食事が温かい状態で食べられる。
同製品は、平成7年に阪神大震災が発生した際の経験から、救護活動や復旧活動などの従事者に向けて開発されたことがきっかけで、平成15年に販売を開始した。翌平成16年に発生した新潟県中越地震での同社の被災経験や、教訓などを取り入れて、ひとつの箱で白いごはんと定番のおかずが温められる「一食ボックス」や、さらにそれらを組み合わせて1日分の食事をパッケージにした「一日セット」など、さまざまな形態で展開している。その利便性から、平成23年に発生した東日本大震災では多くの方々に利用された。
「災害発生時などといった非常時に、燃料がなくても温かい食べ物を食べられることは、精神的な安心にもつなげることができます。また、備蓄する場所をなるべく最小限にとどめたいという要望は、ボックスにすべての製品をまとめることによって、コンパクトにまとめられるようになりました」(吉田氏)
井村屋 ごはん1杯分相当のエネルギー171kcalを手軽に補給が可能
菓子をはじめとする食品の製造・販売を展開する井村屋(三重県津市)では、長年培ってきた羊羹の製造技術を生かして、5年6カ月という長期の保存期間を実現した「えいようかん」を販売展開している。
1本(60g)あたりで、171kcalという、ご飯1杯分に相当するエネルギーを補給することができる。適度にやわらかくすっきりした甘さという味わいの同製品は、フィルムを引っ張るだけで簡単、手軽に開封できる仕様になっており、片手でも容易に食べられる。
また、食品衛生法上で対象となるアレルギー物質(25品目)を含んでおらず、安心のアレルゲンフリー食品である。
防災備蓄食品として最適な同製品は、5本入りでひとつの化粧箱に梱包されている。化粧箱は長期の備蓄に耐えられるよう、強化段ボールを採用し、表面は撥水コート仕様、備蓄の場所を取らないよう、省スペース設計となっている。
化粧箱の開け口のつまみは、暗い場所でも手触りでわかりやすいように工夫されており、また、化粧箱の表面には、中身が羊羹であることを点字で表記している。
そごう・西武 効率的な防災備蓄をトータルサポート
そごう・西武(東京都千代田区)では、防災備蓄品のトータルサポートを行っている。同社では、防災備蓄の基本的な考え方を、自治体や自衛隊、赤十字などによる公的な支援を待つ間の3日間と設定し、食料品や衛生用品、寝具など、非常時に必要なものを御客様の規模に応じて提案している。
顧客に対しては、「何をどのくらいそろえたらよいのか」「備蓄品を置くスペースがどのくらい必要か」など、防災備蓄に関するさまざまな疑問についてヒアリングを行い、最適なプランをシミュレーションし、提案するというものだ。また、備蓄品の納入後には、効率のよい管理の仕方や、災害時にも困らない収納場所や方法などといった点についてアフターフォローまでを行う。
「単に商品を納入したらそれで終わりというわけではなく、その後の効率的な防災備蓄に関するトータルサポートをご提供しています。また、食料品に関しては、豊富なラインアップを、5年間という保存期限でそろえることができるのも、百貨店ならでは実現できるサービスと言えるでしょう」(関屋氏)