不動産トピックス

今週の一冊

2012.11.12 17:27

企業不動産から市況を読み解く

企業不動産の活かし方
著者　三菱ＵＦＪ信託銀行不動産コンサルティング部
発行　平成２４年１０月１日
出版　日経ＢＰ社
価格　２０９６円（税別）

　不動産に関するさまざまな情報やデータの収集により、不動産投資や売買のマーケットの調査分析研究を担い、多くの著書を刊行している三菱ＵＦＪ信託銀行・不動産コンサルティング部の新著。　ＣＲＥ（企業不動産）という言葉が使われるようになって１０年近くが経過した現在、各企業はみずからの経営や事業戦略に合致する形での不動産との関わり方を見直しているという状況のなか、時を同じくして大きな変動を経た最新の不動産マーケットを踏まえたうえで、企業が今後どのように不動産とつきあっていけばよいのかを、多くのデータや事例に基づいて、わかりやすく解説した一冊だ。
　昨今企業による不動産売却が減少している要因の検討、経営環境や制度改定などを踏まえ財務上の課題と不動産の関係とその解決方法、企業における不動産事業の位置づけなどを示したうえで、企業の新たな経営課題にどう対応するかを論じ、「オフィスは保有か賃貸か」や「事業所の老朽化」、「海外進出と国内不動産」など、企業不動産戦略のケーススタディを伝える。
　企業を取り巻く経営環境の変化のみならず、不動産マーケットの動向も解説しており、多くの不動産関係者にとって必読といえるだろう。