不動産トピックス
クローズアップ 自動ドア編
2012.11.19 16:33
日本国内では200万台以上の自動ドアが稼働していると推定されている。当初は利用者の利便性を高める目的で採用されていたが、現在では省エネや防災対策などの付加機能が備わっているという。自動ドアのメーカーなどが展開する最新の製品や周辺機器について紹介しよう。
日本自動ドア 6年連続でキッズデザイン賞を受賞
自動ドアの製造販売・施工・メンテナンスを展開する日本自動ドア(東京都中野区)は、ビルオーナーや管理会社などのユーザーに対し、24時間365日体制で故障など万が一のトラブルに対応ができるように体制を整え、安心・安全な環境を提供。また、メーカーとして安心・安全な製品の開発はもちろんのこと、同社では特に子供たちに優しい製品を製造し、ユニバーサルデザインを目指した開発に取り組んでいる。
「今から10年前近くに、子供が自動回転ドアにより亡くなるといった事故が発生しました。その事故を契機に組織化されたキッズデザイン協議会に当社はいち早く参画し、6年連続でキッズデザイン賞を受賞しております。第5回のキッズデザイン賞を受賞した『ブレイクアウトドアシステム(緊急時開放システム)』は経済産業大臣賞も受賞しました」(代表取締役社長 吉原 二郎氏)
「ブレイクアウトドアシステム」は、スライド自動ドアにスイングオープン機能と停電時開放機能をプラスしたシステムであり、同社は昔から展開していた製品だが、東日本大震災を踏まえ、子供の力でも閉鎖端以外どの位置でもスライドするドアをスイングオープンさせることができるようにするなど、製品の改良に努めたという。
また、昨今、環境配慮や省エネの意識が高まっているが、そういったニーズに対応すべく、今年の夏に太陽光発電により動作する「太陽光自動ドアシステム」を開発。天気が悪い場合でも動作するハイブリッド式となっている。
三和タジマ 制振性と安全性を両立させた自動ドアを展開
三和ホールディングス(東京都新宿区)の連結子会社で、ステンレス製品の製造・販売を行っている三和タジマ(東京都豊島区)は、マンションや病院などのエントランス用自動ドアとして適している「ST制振オートドア『しずか君』」を発売した。
同製品は、ゴムメーカーの倉敷化工(岡山県倉敷市)との共同開発品である「ST制振アンカー」を使用することで、人間が不快に感じる振動領域である50Hz~1000Hzの領域で発生する振動による騒音を大幅に軽減。近年、セキュリティ向上を目的としてエントランスにオートロックシステムの自動ドアを導入するマンションが増えているため、24時間作動する自動ドアの振動により、直上階を居室として使用する住民が騒音に悩まされるといった問題を解消している。
また、火災時の温度上昇により建物と自動ドアの固定部に使われている制振ゴムが、万が一、消失および欠損した場合でも最大傾斜角度が約1度以内で設計されているため、ドアの傾きにより避難に支障をきたす恐れを低減している。
なお、三和グループでは、国内の全体最適化とグループ多品種化の構築を目的として、平成23年10月に自動ドアの販売部門を、昭和建産(群馬県邑楽郡)から三和シヤッター工業(東京都板橋区)へ移管しており、同製品の販売は三和タジマと三和シヤッター工業が共同で展開。同製品を足がかりとして、三和グループとしての自動ドアの更なる拡販を目指しているという。
寺岡ファシリティーズ 扉フレームとタッチスイッチが一体化
寺岡ファシリティーズ(札幌市中央区)は自動ドア用扉として、扉フレームとタッチスイッチを一体化し、機能性を高めた「フレームタッチドア」を展開。
同製品の特徴として、フレームに対し、フラットに納まったタッチパネルが扉の凹凸をなくしており、ガラス面もすっきりするため扉の直線基調が際立つとともに、絵文字によるPUSHマークは年齢を問わず、分かりやすいデザインとなっている。
また、同製品はステンレスパネル、アクリルパネルをラインアップ。ステンレスパネルはPUSHマークをエッチングで彫り込んで塗装色を入れて表面に耐指紋性高機能コーティング処理され、通常のステンレスより傷や磨耗・汚れに強いという。一方、アクリルパネルは標準以外のオーダーデザインもオプションとして用意し、店舗イメージやサービス内容を伝えて出入口にプラスアルファの役割を持たせることができるほか、開閉動作と連動して必要な時にLEDライトの点灯を行い、通行者の誘導・注意喚起を可能としている。
なお、初年度では200枚の受注を見込んでいるという。