不動産トピックス

クローズアップ 空調設備編

2012.11.26 15:57

 オフィスビルの消費エネルギーの多数を占める空調設備。省エネという点から見ると、空調設備の更新はもちろん、定期的なメンテナンスを実施することも無駄なエネルギーを削減することにつながり、オーナーがやるべきことはまだまだ存在する。

エアコンサービス あらゆるメーカーの空調設備に対応可能
 エアコンサービス(東京都港区)は空調設備工事、業務用エアコン販売など、空調設備に関わる様々な業務・サービスを展開している。
 東日本大震災をきっかけにビルオーナーの省エネ・節電に対する関心が高まっている現在、ビルの消費エネルギーの内、その多数を占める空調設備の更新、それも補助金を活用して工事費用を圧縮する改修工事が注目されている。エアコンサービスもこれまで国、東京都、区で用意されている省エネ改修工事に関する補助金情報を集め、ビルオーナーに対して提案してきた。しかし、来年度はこれまでのように補助金が出るか分からないと、同社取締役営業部長の浅川茂樹氏は話す。
 「省エネ設備導入に関する補助金を来年度大幅に削減するという自治体の話も聞いています。省エネについては補助金による後押しが必要な段階は過ぎたのかもしれません」(浅川氏)
 同社はこうした補助金の動向を見据えて、空調設備の改修費用を省エネによって削減された電力料金から回収するリース方式や、簡易的な省エネシミュレーションによる省エネ提案を今後強化していくとのことだ。
 「当社はあらゆるメーカーの空調設備に対応できる点が特長です。空調設備は定期的なメンテナンスを行うことで長持ちさせることができ、エネルギー効率の低減も防ぐことができます。どのメーカーの空調でも修理・メンテナンスが可能ですので、お気軽にご用命ください」(浅川氏)

ユニパック 平成24年度の省エネ大賞の最終選考に進む
 空調設備、設計、施工を行う会社として平成2年に設立したユニパック(埼玉県川口市)は、ビル空調設備に欠かせない「低圧損洗浄中性能フィルタ」を開発・販売しており、ビル空調の分野で注目を集めている新たな節電手法を提案している。
 同社の代表取締役である松江昭彦氏は、節電フィルタの導入メリットについてこう語る。
 「ビルの空気搬送動力は使用電力全体の1割を占めます。ある試算によればフィルタを再検討することでビル全体空調に占める動力2・5%の節電が可能となり、空気搬送動力の削減について見直す時が来ていると思います」
 同社では平成18年に低圧損プレ・メイン一体型洗浄再生フィルタ「薫風」を展開。プレフィルタを織り込み式にしたことで空気抵抗をさげ、中性能フィルタと一体の構造にし、効果を第三者研究機関と検証し、学会発表を行った。
 なお、国の省エネ化を推進する中心的な機関である省エネルギーセンターが、国内の省エネルギー性に優れた製品などを対象に表彰を行う『省エネ大賞(平成24年)』の書類選考に通過。最終選考に進み、地区大会にてプレゼンを行った。

三菱重工業 業界トップの効率誇る冷空ヒートポンプモジュール
 三菱重工業(東京都千代田区)は、業界トップのCOP冷房時4・13、暖房時4・18を達成した空冷ヒートポンプモジュールチラー「Voxcel(ボクセル)」を開発、12月から販売を開始する。
 同製品の特徴は外気温度がマイナス10度の低温下でも定格比最大150%の高い能力を発揮し、寒冷時効率的に暖房が可能な点。併せて、ユニット連結により、大容量用途にも対応している。
 同製品は30、40、50、60馬力(67kW~160kW)の4種をラインアップしユニットを連続設置する方式を採用しているため、連結最大120台(馬力7200馬力、1万9200kW)まで対応でき、ユーザーの用途、容量に応じた豊富な組み合わせを可能にしている。さらに、各モジュールごとに運転・停止を可能とし、冬季にはモジュールごとに最適なタイミングで霜取運転することで、より効率的な暖房運転を実現している。

クボタ 水の力を利用して除菌・消臭・加湿を行う
 クボタ(大阪市浪速区)は、同社がこれまで工場のクリーンルーム向け空調機で培ってきた水噴霧技術を活かして開発した、ビル用コンパクト型空気清浄空調機「ピュアウォッシャー」を11月1日に発売した。
 同製品の主な特徴は、水噴霧技術と乾式フィルターの組み合わせにより、空気中のウイルス、カビ、浮遊菌、花粉を確実に捕捉して空気を清浄するほか、フィルターだけでは取りきれない臭気やガス成分もしっかりと水に取り込んで除去することが可能となっている。
 なお、噴霧でとらえたウイルス、カビ、浮遊菌は微酸性次亜塩素酸水(HClO)の力で除菌し、空調機内での雑菌の繁殖を防ぎ、清潔さを保つことを実現している。
 また、平成25年4月1日に発売予定の同製品の室内設置型には、気液接触効率が高い水噴霧技術を採用していることもあり、高い加湿能力を有している。空気にうるおいを与え、冬場にはウイルスの繁殖を抑え、快適な室内環境を提供することができるという。




週刊不動産経営編集部  YouTube