不動産トピックス

今週の一冊

2013.01.21 16:13

拡大するホテル業界を解説

なぜビジネスホテルは、一拍四千円でやっていけるのか
著者:牧野 知弘
出版:祥伝社新書
発行:平成24年10月10日
価格:800円(税別)

 一昨年発刊し、話題となった「なぜ町の不動産屋はつぶれないのか」の著者である牧野知弘氏の新著はホテルがテーマ。本書では、日本におけるホテル業界の拡大についての理由を探り、わかりやすく解説している。  厚生労働省の調べによると、旅館施設が1980年代を境に棟数・客室数とも減少傾向にあるものの、ホテルはこの45年の間に棟数で37倍、客室数で33倍と拡大している。しかも、日本の経済は1990年以降「失われた20年」と呼ばれ、低迷し続けているなかにおいても、ホテルのはその数を増加させ続けてきた。牧野氏はその事実にフォーカスを当ててさまざまな角度から考察し、ホテル業界の実情を伝えている。  なかでも3種類あるホテルの運営形態については、ホテルをオフィスビルやマンションと同様の不動産にしてとらえ、運営形態によるキャッシュフローの違いを一覧化して見やすく説明。そのうえでホテルの収入についての方程式を解いている。  読者のなかには、不動産経営の一環として、ホテルや旅館を経営している方もいるだろう。単にホテルを利用する側のみならず、経営する側にとっても非常に参考となる必読書といってもいいのではないだろうか。  




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