不動産トピックス
クローズアップ オーダーメード家具編
2013.04.01 17:03
オフィスの移転時はもちろん、執務空間のレイアウト変更に対してもデザインが古びることなく、機能的に末永く使用できるのがオーダーメード家具のメリットだといえる。今回はカスタマイズできる家具に焦点を当てて紹介していこう。
田建 テーブル脚部に工具・水・食料などを収納できる
田建(大阪市中央区)は昭和49年に建築デザインとしてスタートして以来、40年近くに渡ってオフィスを基点に店舗、展示ケースなどのあらゆるインテリアデザインを手掛けている。
同社では地震の一時避難所として想定されることが多いデスクを本格的な地震避難構造物とし、デザインした防災テーブルを開発。昨年から完全オーダーメードで販売を展開している。
同製品の特徴として、ヘルメット、工具類、救急用品、水、食料などが収納できることもあり、いざという時に倉庫から引っ張り出す必要がないとのこと。その他にも災害時には一時避難としてテーブル下に潜って障害物から身を守ることが可能なうえ、倒壊物に囲まれた場合にも脱出しやすい構造になっている。
「収納スペースを十分に確保し、効果を発揮するためにも1400ワイドのサイズからオーダーを受け付けております。1400ワイドの場合、2リットルのペットボトルが約10本、家族4名で3日分の食料などを備えることが可能です。また、日常的にはデスクとして活用できるので、備蓄品の入れ替えやチェックが容易なほか、貴重品などの収納ボックスとしての利用も実現しています」(代表取締役 上田 竜介氏)
現在、同製品は特許出願中であり、家庭での利用はもちろんのこと、事務所の執務デスクや会議テーブル、商業施設、病院での使用などシーンに合わせても適応が可能。帰宅困難者対策の重要なポイントである施設内待機のための備蓄確保の一端を担うことができるという。
岡村製作所 オフィス家具の造作・内装の特注に対応
岡村製作所(横浜市西区)はワイヤレス充電家具シリーズ「AirFeed(エアフィード)」を展開。 「AirFeed」はワイヤレス充電の世界標準規格「qi(チー)」に対応しており、机上面に表示されている「qi」マークの上に、規格対応の携帯電話、スマートフォン、デジタルカメラ、ポータブル音楽プレイヤーなどのモバイル機器を机上面に置くだけで手軽に充電が可能。
なお、「AirFeed」では配線や送電コイルが組み込まれて最大5Wレベルの充電ができるほか、フラットな天板のため見た目もスマートですっきりとした外観で普段利用しているオフィス家具と変わらない使用感を実現している。
品揃えとして、ハイテーブル(5本脚)・テーブル(丸脚)・アクセスボックス・カウンターの4シリーズをラインアップ。充電器を持ち歩く煩わしさがなくなるとともに、ケーブルレスで充電が可能なので有線充電のようにメーカーやモデルを意識せずに多様なモバイル機器のバッテリー切れの不安から解消されるとのこと。ミーティングエリアやリフレッシュルームなどのオフィス内はもとより、銀行やホテルのロビー、空港や駅などの公共施設、カフェなどの飲食スペースにおいても適しているという。
また、クライアントのニーズに合わせて造作・内装の特注も対応しており、バラエティ豊富なオフィス家具を「qi」対応にカスタマイズが可能となっている。
USM U.シェアラー・ソンズ グリーンガード認証を欧州で初めて取得
USM U.シェアラー・ソンズは、オーダーメードシステムの家具「USMモジュラーファニチャー」を昭和38年に開発、販売を開始。現在までそのデザインは変わらず、事務所、家庭、商業施設と様々なシーンで愛用されている。「USMモジュラーファニチャー」は世界40カ国以上に輸出されており、そのグローバルな販売網とサービスネットワークは400を超える正規代理店とパートナーショップを形成。日本においては代理店を通じて1980年代から販売が開始され、平成20年には日本の現地法人として東京オフィス(東京都千代田区)を設立し、サービスを展開している。
ニューヨーク近代美術館の永久デザイン・コレクションにも加えられている、モジュラー収納システムの「USMモジュラーファニチャーハラー」はコネクトチューブ、ボール、パネルパーツの3つの基本部品から構成。幾通りもの収納を作ることができるほか、サイズや色の違う部品を組み合わせ、様々なオプションを付け加えることが可能なため、ニーズの変化などに柔軟に適応している。
東京オフィスの代表取締役社長の秋山氏によると、クライアントの要望に応じて基本ユニットの形状からカスタマイズしてインテリアを作ることができるという。
「独自の三次元のコンピュータ模型ソフトウェアを活用しながらアイデアを具体化し、家具の平面図や立体図、カラーイメージなどをスクリーンでご覧にいれます。経験豊富なコンサルタントからアドバイスや技術的に実現可能なプランニングを提案し、後からの拡張や変更も対応しております。更には、見積りや総重量などの情報も見ることが可能です」(秋山氏)
また、環境基準である「グリーンガード」の家具システム・テーブル部門で室内大気品質の認証をヨーロッパで初めて取得。なお、グリーンガード認証製品を使用すれば米国グリーン建築評議会のLEEDビルディング格付けシステムのポイントを獲得することが可能となっている。
アクシス 多彩な収納パーツをラインアップ
オーリスグループでオリジナルブランドの「ce-fit(セフィット)」の企画開発・販売を手掛ける収納メーカーのアクシス(大阪市西区)は、システム収納「スタイルシェルフ」の収納パーツとパネルの仕様を一新し、カフェやセレクトショップのように機能的で快適な状態を長持ちさせるカスタムオーダータイプのシステム収納「スタイルシェルフ2」を平成24年9月1日から出荷を開始した。
「スタイルシェルフ2」の特徴として、フルオープンレールを採用した仕切付引出し、小分けして収納し移動も容易なコンテナトレイなど豊富な収納パーツを取り揃え、他の製品群とモジュールを統合するなど設計製法を見直し、収納パーツのコストダウンを図っている。また、本体購入後、何年経っても収納パーツの追加注文が可能なので、クローク収納からスタートし、スペースに合わせ、収納パーツを組み替えて脱衣室など様々な空間・用途に広げることができるという。
なお、一部収納パーツは幅定寸とはいえ、幅と高さはミリ単位のオーダーメードを実現。寸法オーダーとパーツの組み合わせで多彩な収納をプランできるため、プランニングと施工時の負担を軽減するべく、プラン図・施工図の作成をサービスで提供している。更には、収納パーツの取付位置が変更しやすいようにインサートナットが埋め込まれているほか、重厚感のある基本パネルは、環境に配慮した水性塗料を採用した塗装化粧仕上げであり、表面は傷や汚れに強く、木の良さを生かしながら上質な美しさを保つことが可能となっている。
色柄はクリアホワイト、ホワイトエルム、コンフォートクリア、コンフォートミディアム、コンフォートダーク、ダーク、ビターオークの7色をラインアップ。