不動産トピックス

今週の一冊

2013.05.13 17:04

法人化までのプロセスを解説付きで指南

アパマンも法人経営の時代です!手取収入から相続、生命保険まで徹底解説
著者:鹿谷 哲也
出版:平成25年4月30日
発行:新評論
価格:2200円(税抜)

 著者は公認会計士事務所にて税務・商事法務の実務に携わった後、新日本証券調査センター経営研究所において各種講演、相続・事業承継対策、資産運用、上場支援等を手掛けてきた。昭和62年に鹿谷総合研究所を設立してからは各種ソフトの開発や相続・事業承継対策、M&Aなどを主要な業務とするなど、精力的な活動を展開している。
 本書において著者はアパート・マンションの経営がこれまで一般的とされてきた個人経営から、昨今の経済情勢や税制などを考慮し法人経営へ切り替えるべきであると述べる。本書で述べられている「法人経営にする理由」は具体的には、政府が推進する社会保障と税の一体改革による所得税の最高税率引き上げと法人税減税など税制上のメリットが多いこと、かつては融資に消極的であった金融機関が積極的な融資を行うようになったことなどが挙げられている。アパマン経営が一般の商売と大きく異なる点は、売り上げの減少と納める税金の額が比例する一般の商売に対し、アパマン経営は家賃収入が減少していくにもかかわらず納める税金は逆に増え、経費に算入できない借入金の元金返済額も増えていくという仕組みになっている。本書は年間家賃収入が5000万円のケースを中心に、アパマン経営における所得税がどのように増えていくのかのシミュレーションを6パターンで掲載。この他、個人経営と法人経営の比較や法人化にあたって注意すべきポイント、相続時の対応、生命保険の活用など、法人経営の川上から川下までをカバーした内容となっている。




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