不動産トピックス
今週の一冊
2013.05.27 16:02
開業から経営のポイントを分かりやすく紹介
高齢者向け住宅事業開業の教科書
著者:小林 敏
出版:幻冬舎メディアコンサルティング
発行:平成25年4月30日
価格:1400円(税抜)
少子高齢化社会を迎えている日本において、約30年後には国民の2・5人にひとりが65歳以上になると見込まれており、ますます高齢者の数が右肩上がりに増え続ける中で、それに比例する形で高齢者専用住宅へのニーズが膨らむことが予想されている。そのため、高齢者向け住宅市場は強力な追い風が吹いているといえる。ことに、平成23年に新しく導入されたばかりの「サービス付き高齢者向け住宅」は多額の補助金が得られることから注目を集めている。ただ、実は大きな落とし穴があり、それを見落としたまま安易な気持ちで事業を始めると十分な居住者を確保することができず、収益を得るどころか赤字経営に陥る危険性が考えられるという。不動産オーナーも居住者も幸せになるためには安定収益と長期運用を実現するうえで高齢者向け住宅事業の基本的な知識やノウハウなどが必要だろう。
本書は高齢者の住まいの問題がまだ世間の注目を集めていなかった時代から、積極的に高齢者向けマンション事業を展開してきた著者が高齢者向け住宅事業で成功の秘訣を伝えることを目的に制作がスタート。「家賃は15~20万円の間」「建物内にコミュニティの場を提供する」「アニマルセラピーや園芸療法を活用する」「居住者を『老人』ではなく『個人』と認識する」など、著者が実践しているビジネスモデルを紹介しながら開業から経営のポイントまでをわかりやすく具体的に解説している。土地の有効活用として高齢者住宅事業を検討しているオーナーにお勧めの一冊となっている。