不動産トピックス

クローズアップ 蓄電システム編

2013.05.27 16:02

 停電時の非常用電源として有効な設備の一つである蓄電システム。東日本大震災以降、導入する企業が増えているという。今回のクローズアップでは、蓄電システムにスポットを当て、各社の製品を紹介する。

テクパル 補助金対象製品の蓄電池システム
 昨今、節電ニーズの高まりから、電気使用量の削減や、昼間のピーク時の電力使用を抑えるピークシフトの取り組み、太陽光発電の導入が進められている。また、災害や停電時にも電力を貯めて使える蓄電システムのニーズが高まっている。
 そんな中、コンピューター機器の企画・製造・販売・保守・管理業務を行っているテクパル(東京都練馬区)は非常用蓄電システム「U―1000」の発売を3月より開始した。
 同製品は瞬間停電にも対応した、最新型のEPS(非常用蓄電装置)となっている。停電時には本体に内蔵されたLED照明が自動的に発光。オフィス内に複数設置することである程度の部屋の明るさを保てるというメリットもある。点灯時間は500時間以上という長時間となっている。
 一般的な非常用蓄電システムは、デジタルノントランス方式を採用。回路が単純でシステムを安価に作ることができること、比較的軽量というメリットがある。しかし扇風機やエアコン、冷蔵庫などのモーターを内蔵した機器には対応ができないケースがある。
 「当社では非常時に使えない機器があるということはデメリットであると感じました。そのためすべての機器に対応するトランス方式を採用しました。重量はデジタルノントランス方式より増加しましたが、もともと非常用電源であるため、動かすこともほとんどないと思いますのでデメリットとは感じていません。非常時に安心して使えることが大切なのだと感じています」(蓄電システム部部長 田中 裕隆氏)
 同製品は、定置用リチウムイオン蓄電池導入促進対策事業補助金の補助金対象機種としても認定されている。また、国際的にも認められたドイツの安全技術検査協会であるTUV認証とJQA安全認証マーク(Sマーク)も取得。世界的に安全が証明された製品となっている。
 「今年の3月から販売を開始しました。主に会社のHPで製品の紹介をしていましたが、多くの企業・団体から問い合わせを頂いています。中小ビルのオーナーの方からも『入居テナントの方が非常時にも安心して行動ができるように』という思いから問い合せをされる方もいます。オフィス内に設置が難しくても例えば管理人室に1台設置するだけでも十分効果があると思います。是非、ご検討ください」(田中氏)

FDK ニッケル水素電池を採用
 FDK(東京都港区)は、高い安全性と優れた充放電特性をもつニッケル水素電池搭載のポータブル型蓄電システム「FPSSオフィスI型」を開発した。電池容量は、2・5キロワットアワータイプ(FPSS-252G)と1・6キロワットアワータイプ(FPSS―162G)の2機種をラインアップ。FPSS―252Gであれば、LED照明(90W相当)なら約15時間、ノートパソコン10台(合計200W相当)であれば約7~8時間使用することができる。
 同製品は、前面に小型液晶ディスプレイを搭載。また、出力コンセント口を前後パネルに各2個ずつ搭載している。さらに、キャスター付きのため、移動も容易にでき、オフィスの中で必要な時に必要な場所で使用することが可能。
 また、同製品の蓄電池には、電解液が水溶液であり引火した場合でも、その燃焼性が極めて低いという安全性が高いニッケル水素電池を採用している。

ソニー 自立型蓄電システムを開発
 ソニー(東京都港区)は、商用電源のない環境でも、太陽光発電と組み合わせることで自立型蓄電システムを実現できる、高容量6・0キロワットアワーの業務用蓄電池「ESSP-3005/18P」を発売した。
 同製品は、10年以上の長寿命、高い安全性能、高出力といった特長をもつオリビン型リン酸鉄リチウムイオン二次電池を搭載。また、ブレーカー(配電盤)工事やパワーコンディショナー(交流変換器)の取り付けなど、太陽光発電システム設営時の複雑な電気工事が必要無く、太陽光パネルと直接接続できるため、建設現場や農業用ハウス、ロッジ、災害発生時の仮設住宅など、様々な場面での電源用途として活用できるという。さらに、同製品は、搭載している二次電池から蓄電池本体の起動が可能なため、商用電源に頼らない無電化地域での起動が可能。さらに太陽光発電と組み合わせることで自立型蓄電システムを実現させる。加えて、停電などの非常時でも、自動で瞬時に電力供給の切り替えを行う無瞬断機能(UPS)を搭載しているため、精密機器やIT機器の故障を防ぎ、データ保持と業務継続のためのPCやサーバー用電源として使用可能となっている。

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