不動産トピックス

クローズアップ 遮熱・断熱製品編

2013.07.01 16:04

 東日本大震災から2年が過ぎた今も節電を求められ、一方最近は猛暑が当たり前という現状もあり、既存の建物における遮熱・断熱対策が高まっている。今回は遮熱・断熱をテーマに、さまざまな商品を紹介する。

快適環境 JAXAの技術を外壁に転用 遮熱断熱のほか機能さまざま
 快適環境(東京都千代田区)が販売している断熱塗装材「ガイナ」は、H―2.ロケット先端部を、空気摩擦による高熱から守るために、宇宙航空研究開発機構(JAXA)により開発された高性能断熱塗装材を、日常の生活向けに技術移転したもの。
   「ガイナ」の最大の特徴は、セラミックとアクリル樹脂シリコンのハイブリッドによってできている点である。樹脂を塗料化したペンキなどの塗料は、建物の美観確保と防水を目的としたものであったが、「ガイナ」に使われているセラミックは、高い断熱性能を持つ素材を中心として構成されている。
 施工・乾燥後のセラミック濃度はおよそ80%と、他のセラミックを用いた塗装材と比較すると、非常に高い値である。
 また、耐候性や弾力性が非常に優れているため、寒暖の差や地震の揺れなどにも強い。
 「高い断熱性能を持つ『ガイナ』は、夏は涼しい、冬は暖かい室内を実現できます。屋上をはじめとする建物の外装だけでなく、内装にも施工すると、断熱性能はさらに向上します。夏場における建物最上階の暑さや西日への対策として、ビルをはじめとするさまざまな用途の建物に導入されています」(代表取締役 後藤 栄哲氏)
 同製品には、断熱という大きな特徴のほかにも、防音や防臭、防汚、さらには空気質の向上など、さまざまな特徴が備わっている、多機能な塗料である。

節電ECOショップ 太陽光カットと可視光透過率が両方アップ
 節電商品の販売を行っている節電ECOショップ(東京都台東区)では、高性能の遮熱・断熱ガラスコーティング材「省エネガラスコート」シリーズの販売を、指定代理店施工により展開している。
 同社では7月からシリーズの新商品「省エネガラスコートHyper―SC」の販売を開始する。
 遮熱ナノ材CTOを、コーティング材として世界で初めて採用し、夏の西日の原因となる近赤外線の波長域を強烈にカットする一方で、ガラスの透明性を確保する可視光透過率の向上も実現できた、画期的な製品である(紫外線・赤外線・可視光透過率の商品別比較は表を参照)。
 「電力不足や電力料金値上げなどの要因から、ひとりひとりが節電を課せられるという社会的状況や、昨今は猛暑が当然となった環境的状況から、窓からの遮熱断熱による節電が注目を浴びるようになりました。また、建物は竣工し、稼働してみないと実際の室内が適温になるかどうかは分かりません。そのため同製品は、既存の建物への導入事例が非常に多いです」(取締役 営業推進部長 高堰 督裕氏)

YKK AP 基幹商品「EXIMA」に高断熱性能
 YKK AP(東京都千代田区)は、中低層オフィスや集合住宅に向けた基幹商品「EXIMA(エクシマ)」シリーズで、断熱性能を高めた「EXIMA32(サンニー)」をラインアップした。
 「EXIMA32」は、サッシ枠にウレタン樹脂断熱材を挟み込んだ構造を採用して断熱性能を高め、窓まわりの結露を抑制するなど、さらに快適な室内空間を実現する。同製品と同じく基幹商品の「EXIMA31」が持つ使いやすく安心できる機能、確かな性能、調和する意匠といった特徴も踏襲しながら、さまざまな用途の居住空間において、ワンランク上の断熱性能を提供し、建物開口部の快適さを向上させる。
 サッシ枠にウレタン樹脂断熱材を挟み込んだ「枠形材断熱構造」で、外部からの熱を伝わりにくくして、結露を抑制する。結露抑制で清潔な室内空間を実現することで内装部材を傷めず、修繕やメンテナンス費用を抑えられる。枠形材断熱構造と複層ガラスの組み合わせにより、すべての窓の種類において、一般的なアルミサッシよりも高い断熱性能を確保している。
 また、小さな開口寸法でも外部の風を取り込める設定により、エアコンを使用せず自然の風を取り入れることができる。

立川ブラインド工業 高い遮熱性能を持つブラインド
 立川ブラインド工業(東京都港区)では、高い遮熱性を持ちオフィスや学校施設などの省エネ促進に貢献する、ヨコ型電動ブラインド「ローリーESS25・35タコス2. 高遮熱タイプ」を発売した(25=25mmスラット(羽根)、35=35mmスラット)。
 高遮熱ブラインドシリーズに電動タイプを新たに加えて、ラインアップを拡充するとしている。新製品は、スラットに昇降コードの穴がなく、スラットの角度を垂直に近づけることによって、優れた遮熱性能を実現する。そのため窓から入る日光の熱を緩和して、室温上昇を抑制する。スラットは、日射反射率が高い「遮熱コートスラット」の60色(うち35mmスラットは40色)という、豊富な色彩バリエーションのなかから選ぶことが出来る。
   また、製品1台あたり0・25Wという待機電力の低さからも、ビルの省エネに貢献している。さまざまなスイッチを選択することができ、最大で255台のブラインドを、状況や条件に合わせて操作することが可能である。




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