不動産トピックス

今週の一冊

2013.09.23 11:06

不動産の動きにより日本経済の今後を理解できる

だから、日本の不動産は値上がりする
著者 牧野 知弘
出版 祥伝社
発行 平成25年9月10日
価格 800円(税抜)

 アベノミクスによる大胆な金融緩和政策で溢れかえったマネーが、行き場所を求めて土地と不動産に流れ込み、都心部の地価は反転上昇の兆しが現れるなど活況を呈しており、20年にわたるデフレ脱却に向けて日本経済が上昇する気配が見受けられる。日本経済が動くタイミングには、必ず不動産が先行するため不動産の動向を注視しておく必要性が高いといえるだろう。
 本書では、日本の不動産に纏わる歴史的な経緯、カネの流れ、プレーヤーの横顔、不動産価値に対する考え方の変化など多面的な要素から考察。業界に精通する著者が現物のリアルな不動産とJ―REITに代表されるバーチャルな不動産を、豊富な事例をもとに業界の現在地と行く末を示している。更には、不動産所有者や投資家が気になる『上がる不動産』または『下がる不動産』を見抜くポイントなどをわかりやすく解説されている。
 なお、本の内容は、序章「バブル崩壊から現在までの歩み」、第1章「不動産マーケットの将来」、第2章「バーチャル不動産の世界」、第3章「不動産価格は上がるのか」、第4章「リアル不動産で損をしないためのヒント」で構成。
 2020年には東京五輪が決定し、再開発の機運が高まることが予想され、ますます不動産業界が盛り上がることが考えられる。今後を占ううえでも必読の一冊となっている。




週刊不動産経営編集部  YouTube