不動産トピックス
クローズアップ 省エネ・環境商材編
2013.10.21 14:09
不動産業界において、環境・省エネ対策は一過性のトレンドという枠を越えて、取り組まなくてはならない対策の一つになりつつある。こうした流れにあわせて、様々な企業が一風変わった商材を開発・販売している。
LED光源普及開発機構 携帯色彩分光放射測定器を販売
「日本においてもLED電球の明るさに関するガイドラインも発表され、ようやくLED電球の規格化が進みつつあります。しかし、実際に取り付けてみると、メーカーのカタログ値では判別できない、明るさや演色性について、想定した明るさが無い、あるいは色が異なるといったクレームは未だに存在しています」(LED光源普及開発機構 理事長 小林 治彦氏)
LED照明の施工業者を中心に組織されているLED光源普及開発機構(東京都千代田区)では、携帯色彩分光放射測定機である「スペクトロナビ MK―350」を販売している。同製品の特徴は、各種光源の波長分布、色温度、演色評価を現場で計測することを可能にした携帯性と、他社の製品と比べて低価格な点にある。また、同製品を活用することで、LED光源に交換する前の明るさや演色性等を測ることができ、小林氏の語る「設置後、従来光源との明るさ、色が違う」といったLED電球の問題点を解消できる。
また、同製品の新機能として、スマートフォンやタブレットPCとの連携を可能にした「WiFi SDカード」を11月に発売する予定。この新機能により、現場で測定したデータをスマートフォンやタブレットPCを経由してメール送信するといったことや、同製品を遠隔操作することが可能になる等、利便性が向上している。
三栄管財 設置するだけで水質改善を実現する「ACR」
空調設備のメンテナンス業務を中心にビルメンテナンス事業を行う三栄管財(東京都江東区)。同社は環境ソリューションの一環として、今年から水質改善リング「ACR(アクア・クリスタル・リング)」の販売を開始した。
「ACR」とは、直径10cm、厚さ2・8cmのポリエチレン製のリングで、特殊な液体を中に含んでいる。必要な個数を冷却塔などに設置することで微電圧が発生し、それにより水同士の結合が切れ、小さくなった水クラスター(水分子の集合体)が、通常では入り込むことのできない汚れの隙間に入り込むことを可能にするのが特徴だ。
「ACR」の効果を知るうえで最も適した箇所が、空調設備に欠かせない熱交換器の一種である冷却塔である。その保守管理には、錆やスケールによる効率性の低下や水質の悪化を防ぐために冷却塔内の定期清掃が必要であり、また、レジオネラ菌の発生を防ぐといった水質管理のために薬品洗浄を定期的に実施しなくてはならず、維持管理に手間がかかり、管理者にとっては頭を悩ませる設備の一つだろう。
「『ACR』を導入することで薬品などを使用せずに錆やスケールの抑制、改善ができるので、結果として冷却塔自体の延命にも効果があります。これまでの導入実績としては、冷却塔のスケール除去以外にも、温水タンクの赤水防止、グリストラップの臭気除去、景観池の透明度の改善事例もあります」(営業部 佐々木 良氏)
その効果は約3年間持続するとのことで、必要経費である薬品洗浄の費用の削減とともに、効果が持続している間は水質改善による熱伝導率の向上により、電気料金やガス料金も削減を実現するとのことだ。
日本電気 電力見える化スターターパッケージの販売を開始
日本電気(東京都港区)は、オフィスや店舗などの電力の見える化を実現する「電力見える化スターターパック」を9月27日から販売開始した。
昨今、国内の電力コスト上昇を受け、省エネ対策に取り組む企業が増えてきている。省エネ対策の一つとして、電力使用量を細かく把握し問題点を改善する方法はあるが、具体的な効果が分からない段階では本格的な電力見える化システムの導入が難しいため、まずは小規模にすぐ始めたいというニーズが高まっている。
今回販売された「電力見える化スターターパック」の特徴として挙げられるのは、電力見える化システム導入前の試行や、小規模オフィス・店舗などの利用を想定しており、最小構成(機器、センサ、ソフトウェア)のセットで、19万8000円と初めて導入するのに手頃な価格設定となっている点である。同社は、低価格に設定することで導入障壁を下げるとともに、スターターパックを導入後にビル全体やチェーン店舗に見える化を展開したいという企業に対しては、さらに大規模なエネルギーマネジメントシステムの導入を提案するとしている。
また、電力使用量の把握については、すでに多数の稼働実績を有していることから、「スマートコントローラ」を採用している。これにより、オフィスや店舗の照明など機器ごとの電力使用量をきめ細かく把握することを可能にしている。