不動産トピックス
ビル業界ミニトピックス
2013.11.25 11:57
■京都市内で複合ビル「ランブランス室町六角」を運営する有宝(東京都港区)の代表・森山秀夫氏は、生まれも育ちも東京。同氏は京都進出の主な理由を「資産変換」というが、他にも理由がある。人形作家である妻・さち子氏は「あしや千種(ちぐさ)人形」の第一人者として活躍しているが、主な活動拠点が京都なのである。同ビルにはアトリエが設けられており、創作に活用されているという。実はもう一つ、京都にこだわる理由がある。同氏の長男・豊氏は京都大学を経て同大学院を卒業。すっかり京都に馴染み、今では地元民の1人として祇園祭にも参加するほどだ。
さてその豊氏は大学院卒業後、ベンチャー企業「アヌビス・エンタテイメント」を設立。アニメやサブカルチャーを中心としたコンテンツ事業をメーンに活動しているが、このほどJR「阿佐ヶ谷」駅高架下の再開発事業「阿佐ヶ谷アニメストリート」に参加が決定した。テナントとしてミニシアターを運営し、様々なコンテンツの発信や上映会、イベントなどを企画していくという。
■青山・原宿・表参道エリアを中心に不動産事業を展開するシグマリアルエステート(東京都港区)は、時間貸し駐車場の運営も事業の柱の一つとしている。時間貸し駐車場事業は平成2年に開始され、コインパーキングのパイオニアといっていいが、昨今の景気により状況が変わりつつあるという。
遊休地の活用を目的とした駐車場事業は、景気が良くなると用地確保が困難になって衰退する、というのが一般的な流れだが、同社代表の坂本章彦氏よればこの流れに変化が訪れているというのである。
「青山・原宿・表参道エリアの不動産市場はオリンピックの開催決定によって急激に変動しています。開発が進んで更地がなくなったことでコインパーキングの運営には向かなくなってきているという見かたもありますが、実は工事車両が駐車場の売上を大きく引き上げているのです」(坂本氏)
市場の動きはまた、別の側面から既存の駐車場に恩恵をもたらしているという。
「開発によって駐車場が貴重になり、単価が上昇しつつあります。稼働率も向上し、条件によっては開発するよりも収益性が高くなる可能性もあります」(同氏)
■「土壌汚染問題について、法律的にも意識的にもさらに高い次元で考えなくては」と話すのは、ランドマネジメント(東京都港区)の藤堂英雄氏。土壌汚染は不動産流通の妨げにもなる大きな問題だが、それに気がつくのは「発覚してから」というのがほとんどだ。
同氏によれば土壌汚染に関する法律に不備と思われる点が多く、解釈の違いによって不利益を被る可能性も少なくないという。購入時には綿密な地歴調査が必須だが、今のところ法律改正の予定はない。汚染発覚時の対応が重要なことに変わりはないようだ。
この問題は、既存のビルオーナーにも関わってくる。汚染物質が隣接地に染み出してこないとは言い切れない。郊外の工場や倉庫は注意しやすいが、都市部のクリーニング店跡地で汚染が発覚した例もあるという。