不動産トピックス
今週の一冊
2013.12.23 16:03
豊富な事例にみるリノベの今
リノベーション・デザインの本
編著:枻出版社
出版:枻出版社
発行:平成25年12月10日
価格:1200円(税抜)
リノベーションということばを耳にするようになって久しい。一時は一過性のブームを危惧する声もあったが、その手法は完全に定着したといっていいのではないだろうか。とはいえ最近はその概念が拡大解釈されつつあるようで、リノベーションという言葉本来の意味に照らして疑問を抱かざるを得ない物件も目につくようになってきた。
リノベーションとは本来どうあるべきか、最先端のリノベーションとはどういうものか。その概念や変遷、手法などを解説した専門書も少なくないが、本書は「最新リノベ・デザインを見に行こう」との副題のとおり、リノベーションによって生まれ変わった物件の紹介が中心。それも技術的な内容はほとんどなく、実際に使われているシーンを中心としたカラー写真で読者の感性に訴える。取り上げられている物件も話題性の高いものが多く、東京駅や高架下などでリノベーションを積極的にすすめるJR東日本、倉庫リノベーションを数多く手がけるイーソーコ、リノベーション物件を世に広める役割を果たした東京R不動産など、いわば今日におけるリノベーションのメインラインを見ていくことで最新のリノベーション動向が解かる内容となっている。
初心者向けという見方もできるが、リノベーションには(その概念に反するかもしれないが)やはり流行が存在する。世間の注目を集めるリノベーションとはどのようなものか、それを知ることができるというだけでも、本書を開く十分な理由になるだろう。