不動産トピックス
クローズアップ 内装材編
2014.01.06 10:05
管理システムのメリットは、数多くの物件や貸室を効率よく管理することで、業務のムダを省くことだが、最近は「省エネ・節電」を効率化するための新しい技術を導入した管理システムも登場するなど、そのバラエティは広がる一方だ。
不動産業界全般に向けてパッケージ・ソフトウェアの開発・販売や、ITコンサルタント事業を展開しているソフト・ボランチ(東京都新宿区)では、建物1棟単位での物件情報がデータ化可能な次世代賃貸管理システム「PMvolante」を、主軸サービスとして展開し、大手不動産仲介会社などさまざま顧客への導入実績を持つ。
同社では、かねてから不動産管理システムのクラウド化について開発を行うなかで、昨年の11月には賃貸管理支援システム「マネジメント・サポート・プラス」の一部サービスをリリースした。「マネジメント・サポート・プラス」は、物件の管理情報(管理委託契約の種別や管理形態、契約期間など)や賃貸募集条件の管理、テナントの顧客情報や賃貸借契約(賃貸借契約の種別、契約期間、請求条件など)の管理、家賃収納・入金情報・滞納管理、物件の設備維持管理・修繕工事・費用支払情報、物件収支情報の集計管理など、標準的な賃貸管理・PM業務全般をサポートする。自社でのサーバー運用を目的とされるオンプレミス版、システムのメンテナンスやバックアップ等の作業負担の軽減やBCPを意識したASP版の2種類があり、予算や目的により選べる。
また、オプションとしてウェブデザインソフト「WORD PRESS」と連動することも可能で、物件情報のみならずホームページのレイアウトなども自由にできる。
「今まで実現しなかった賃貸管理システムのクラウド化を実現することで、場所を選ばずに物件の情報を引き出すことが出来るようになりました。現在は契約管理など一部サービスのみ先行リリースしていますが、フルサービスを提供できるようになるのは次の夏ごろになる予定で、一度物件の情報を登録すれば、対象物件に関して募集から契約、賃貸管理までをサポートが可能になります」(代表取締役・藤本淳二氏)
賃貸管理ソフトや不動産管理ソフトなどを提供し、不動産総合ソリューションサービスを展開するダンゴネット(東京都国立市)では、賃貸管理データベースソフト「賃貸名人」を販売している。賃貸管理・物件情報検索・契約書作成というすべての業務を自動化して、賃貸管理業務を飛躍的に効率化するソフトだ。
「賃貸名人」では、業務委託契約書から入居申込書・重要事項説明書・契約書に入居時精算書、解約時には解約申込書・退去時精算書まで、すべての帳簿に情報が反映されるもの。重要事項説明書には「石綿使用調査の内容」、「耐震診断の内容」の記載も盛り込める。 また、賃料、共益費など項目ごとの入金状況が把握でき、また敷金礼金などオーナーへの送金額や預かり金の状態も一目でわかるようになっている。
賃貸契約の形態に応じ、物件ごと、貸室ごとに管理料が設定出来るため、入金管理をしながら自社の管理料を把握することが可能だ。一般賃貸借と定期借家権の物件をそれぞれ指定することが出来るため、更新内容や定借契約終了通知書を、もれることなく容易に出力が可能。
個別の光熱水費の請求書を作成出来ることや、空き物件の検索結果データをインターネットサイトに送信する機能がついており、また4段階の権限レベルが設定することが出来るため、個人情報保護対策を行うこともできる。
大塚商会(東京都千代田区)では、昨年の9月25日から、日本初となる三次元CADとBEMSを連携させた「3Dビルコミュニケーションシステム」の提供を開始した。竹中工務店(大阪市中央区)の技術を元にしたシステムで、大塚商会が導入とサポートを担う。
ビル全体の節電を促進させるためには、電力使用状況について「どの部分でどれくらい使用しているのか」という点が必要不可欠である。「3Dビルコミュニケーション」は、三次元CADを用いることによって、立体的な図面でビルの電力使用状況が、よりわかりやすく表示される。また、タブレット端末を使ったタッチパネルの操作によって、空調や照明などの制御も可能だ。
細かな電力使用状況を把握し、分析することで、例えば「使っていない会議室は今後倉庫として使う」など、最適なオフィスフロアの使用にもつながり、ひいては電力使用量の削減を実現する。
「SDビルコミュニケーション」は、オープンシステムにつき、新築・既存かかわらずどのような建物にでも導入が可能だ。また、1棟を1社で使用するようなビルのみならず、複数のテナント(事業者)が入居するビルにも、十分導入のメリットがある。ソフトウェアをパッケージ化することで稼働までの期間を短縮している。