不動産トピックス

クローズアップ 断熱材編

2014.01.13 16:43

 冬の場合、室内にある熱を逃がさないための工夫が不可欠となっており、快適な空間を維持するうえでも建物の断熱性能の向上が求められるといえるだろう。今回は優れた効果を発揮する断熱材について取り上げてみたい。

 大建工業(大阪市北区)は、軽くて断熱性や吸音性に優れ、防音板ならびに外壁下地材などに使用されているインシュレーションボードの断熱性能を活用したリフォーム用断熱パネル「リモデル断熱下地パネル」を開発。昨年の8月から発売している。
 「リモデル断熱下地パネル」は外壁や壁の内部の断熱材はそのままに、既存の内壁のクロスの上から直接施工が可能。窓の断熱改修工事の際に採用することで断熱効果を更に高める効果を得ることができるという。
 また、部屋の湿度を適度な状態に調節する調湿壁材「さらりあ~と」とのセット販売を展開。「さらりあ~と」との併用により、約5%の断熱効果が見込まれるため、快適性と省エネ効果の向上を実現している。
 なお、「リモデル断熱下地パネル」は切断などの加工が容易なうえ、「さらりあ~と」を重ね貼りして仕上げるので、クロス張り施工が不要。従来、大掛かりな工事を伴うので敬遠されがちであった壁の断熱改修工事が、リーズナブルなコストで完了させることができ、経済的とのこと。
 価格は4枚入りで税別2万4400円。本年度の販売目標を年間1億円としている。

 東洋ゴム工業(大阪市西区)のダイバーテック事業を分社化して硬質ウレタン事業を中心に事業を行うソフランウイズ(大阪市北区)は、水を発泡剤とした環境に優しいノンフロンウレタンフォーム断熱材「ソフランアイタス」を開発し、昨年7月から関東地方を中心に販売を開始した。
 「ソフランアイタス」は、ウレタンフォームでは国内初となる低密度成型品の技術開発に成功し、熱伝導率は0・036W/m・K。高性能繊維系断熱材と同等もしくはそれ以上の断熱性能を実現している。
また、押すと縮んで離すと元に戻る発泡系断熱材の柔軟性と自立性によって重力や湿度の影響でずれ落ちは発生しないため長期間の断熱性能を維持しつつ、入り組んだ柱間内での施工にも対応することができる。
 更には、特殊な工具や固定金具を必要とせずに、容易に施工が可能だという。
 その他にも、ホルムアルデヒト発散速度が3(μg/m2・h)であり、「F☆☆☆☆(フォースター)」適応でシックハウス対策に有効なうえ、高い難燃性能を有しているため安全性に優れている。戸建住宅市場を中心に展開していくとのこと。


 米大手化学メーカーのザ・ダウ・ケミカル・カンパニーと住友化学(東京都中央区)の合弁による日本法人のダウ化工(東京都品川区)は、住宅・建築・冷凍倉庫用途向けにスタイロフォーム押出発泡ポリスチレン断熱材の新製品「スタイロフォーム」FGを開発。今年の1月から商業生産および販売を開始する。
 「スタイロフォーム」FGは熱伝導率が小さい発泡剤や放射低減剤を採用するとともに、気泡形状を微細化していることで熱伝導率0・022W/mK以下、断熱材性能区分の最高レベルであるFランクを実現。
 また、「スタイロフォーム」FGの高い断熱性能により、既存製品と同一の断熱性を持たせる場合と比べて、約20%の厚みを低減することができる。
 その他にも、製品開発コンセプトのひとつである「地球に優しい製品作り」に一貫して取り組み、ノンフロン・ノンホルムアルデヒド製品であるのはもちろんのこと、PRTR物質も使用していないうえ、材料のリサイクル利用が可能でグリーン購入法の特定調達品目の対象となっている。
 同社の代表取締役社長の杉山隆博氏は同製品の記者発表会でこう述べた。
 「最近の堅調な建築需要に支えられ、『スタイロフォーム』の昨年の出荷量は過去に例のない程の数量を確保しております。日本に拠点を設けて50年以上が経ち、その間、製品の精度の改善に努め、お客様のニーズに応えてきた実績をもとに、『スタイロフォーム』のラインアップの中で断熱性能が高かった『スタイロフォーム』EXを更に上回る製品を開発いたしました」




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