不動産トピックス
クローズアップ 蓄電池編
2014.02.17 10:23
蓄電池装置を取り入れることで、非常時の備えはもちろんのこと、ピーク電力をカットし、電気料金の削減に貢献するため、経済性にも優れている。今頁では様々な機能を有している蓄電池システムを紹介する。
国内外の種類豊富な鉛蓄電池を取り扱う岐阜バッテリー販売(岐阜県羽鳥郡)は、用途別、充放電特性などユーザーが使用する車両もしくは機械において、最適なバッテリーを提案する知識とノウハウを有しており、長年の経験を生かし、バッテリー関連の商品を販売している。
同社が展開している蓄電装置の「DENZO―KUN」は太陽光モジュールから電気を最適な状態でバッテリーに蓄電し、過充電・過放電にならないようにチェックするほか、常時自然エネルギーを優先的に利用できるエコ電源を採用し、自動的に商業電源の切り替えを実現。電力コストを抑えるメリットと同時に停電時・災害時にもそのまま継続して使用することができるという。さらには、本体内部異常を感知したら温度上昇に合わせ、冷却ファン・警報・シャットダウンの順に対応しているうえ、太陽光モジュールは独立配線なので全て損傷しない限り、発電することが可能となっている。
「『DENZO―KUN』は、高サイクル高性能鉛蓄電池を採用して長寿命なことに加え、自動切換時のハッチングやインバーターの電力不足などによる電気機器への障害を回避するため安全性に優れております。また、密閉式バッテリーということもあり、メンテナンスフリーを実現しています」(営業部 部長 夏目 雅之氏)
コンデンサやコンデンサ応用関連機器・回路製品の開発・製造・販売を行うニチコン(京都市中京区)は、コンデンサ事業で培った技術を生かし、低炭素社会実現に向けて新たなソリューションに取り組んでおり、電気自動車用の充電器をはじめ、蓄電機能付太陽光・風力発電システムや家庭用蓄電システムを提供している。
同社が展開している家庭用蓄電システムの「ホーム・パワー・ステーション」は、7・2kWhのリチウムイオン蓄電池を標準搭載。屋外設置タイプには増設ユニットを併設でき、家庭用として最大級の14・4kWhを実現。停電時には大容量の蓄電システムから非常時兼用コンセントへ瞬時に自動で電力をバックアップ供給するため、電力供給を滞らせることなく、安心して電気を使用することができるという。また、太陽光発電システムと連携して、昼間に太陽光発電した電力を夜間のピーク時に活用する環境を重視したグリーンモードに加え、太陽光発電した電力の余剰分は全て売電する経済モードを備えており、ライフスタイルに合わせてお好み運転モードに切り替えることが可能となっている。なお、5インチカラー液晶タッチパネルの室内リモコンで充電量と放電量が一目で確認できるほか、ネットワークに接続すれば、24時間365日運転データを分析し、蓄電システムの状況の把握やメンテナンスを実施するため安全に寄与している。
「『ホーム・パワー・ステーション』は屋外設置タイプと屋内設置タイプの2種類をラインアップしており、屋外設置タイプは10年保証し、屋内設置タイプは温度変化の少ない設置環境のため15年保証付きで長期間、安心してご利用いただけます」(企画本部 広報部 課長 山下 文男氏)
伊藤忠商事(東京都港区)は、エヌエフ回路設計ブロック(横浜市港北区)が開発・商品化した蓄電池容量16・8kW時の産業用リチウムイオン蓄電池システムの販売を開始した。
同システムは停電を検知し、自動的に非常用負荷へ給電するバックアップ機能に加え、高度な負荷追従機能を持ち、電力消費を設定されたピーク値以下に抑えることができ、平常時はピーク電力をカットし、料金が割安な時間帯の電気を効率よく貯められる独自の制御機能を有している。そのため、停電対策のみならず、電気料金の低減に貢献する。
なお、同システムのサイズは幅860mm×高1600mm×奥行500mm、重量が約500kg。希望小売価格は498万円(税別・工事費別)となっており、平成26年度の販売目標台数は200台を目指している。
また、同社ではスーパーマーケットやコンビニエンスストアなどの小売店舗、オフィスビル、工場、マンション、公民館、学校など幅広い施設への展開を検討しており、試験的に同システムを大手コンビニエンスストアチェーンの店舗に納入し、導入効果の検証を行っているという。