不動産トピックス
今週の一冊
2014.03.03 14:30
大切な資産を次代に継承するための記録帳
もしものときに安心 幸せを運ぶエンディングノート
著者 山口 里美
出版 週刊住宅新聞社
発行 平成26年1月29日
価格 1050円(税込)
東京・大阪・名古屋など、全国主要都市において司法書士事務所を開設し、各種司法書士業務や経営コンサルタント業務を展開するコスモホールディングス(大阪市北区)。その代表であり、本書の著者でもある山口里美氏は、司法書士を目指す者に向けての司法書士試験対策の問題集や、各年度の税制改正に応じた資産家向けの相続対策の参考書などの執筆活動も精力的に行っている。
自身の半生を振り返るとともに、自身の死後に残された家族への思いや希望をつづる「エンディングノート」。遺言と異なる点は法的効力を有する性格の文章ではないということで、被相続人の存命中及び死後の家族の負担を軽減する目的で近年注目を集めている。本書は、これまでの人生を今一度見つめ直し、自身に関する様々な情報を保存することを目的に制作された。また、単に人生の出来事を振り返って記録するためだけではなく、預金や保険といった財産を守る重要書類を整理して、残された家族を円満な相続に導く、いわゆる「大人片づけ」の記録アイテムとしても機能する。本書ではこの「大人片づけ」の分かりやすい解説として、日本エグゼクティブプロモーター協会(東京都港区)の共同代表理事である高橋和子氏・渡部亜矢氏の両名がコラムを寄稿している。
大切な資産を大切な家族に継承するためには、予測されるトラブルを未然に回避する予防線を用意する必要がある。とはいえ、相続に関する話題は被相続人・相続人ともに切り出しにくいもの。まずは本書を活用して家族の将来設計図を話し合うことをおすすめしたい。