不動産トピックス
今週の一冊
2014.04.21 13:31
小規模宅地特例に特化した解説本
書名 小規模宅地特例 実務で迷いがちな複雑・難解事例の適用判断
著者 飯塚 美幸
出版 清文社
発行 平成26年3月31日
価格 2200円(税抜)
「小規模宅地特例」は、宅地における相続税の課税価格を減額するとして設けられた制度。しかし、複数回にわたる制度改正を受け、現在では適応範囲が分かりにくい制度となっているのが現状だ。
弊紙「週刊ビル経営」のコラムでお馴染みの松木飯塚税理士法人の税理士である飯塚美幸氏が執筆した本書「小規模宅地特例 実務で迷いがちな複雑・難解事例の適用判断」は、複雑であるが故に適用判断が難しくなった「小規模宅地特例」について、詳しく解説している。
まず第1章では「平成25年度改正を踏まえた小規模宅地特例の制度の概要」と題して、平成22年から平成27年にかけて大幅に改正された制度の概要についてまとめられており、制度に関する基礎的な理解を得るには十分な内容となっている。
続いての第2章では、「裁決・判決にみる小規模宅地特例のミスパターン」と題して、これまで審査請求や行政訴訟に上がった訴訟の事例をまとめ、「小規模宅地特例」のミスパターンとして解説している。
締めの第3章は、「所長と職員の会話で理解する!複雑・難解事例へのアプローチ」として、より難しい事例を取り上げている。ただし、税理士事務所所長と税理士事務所勤務1年生との掛け合いにより話は進行するので、複雑な事例も分かりやすい。
平成27年度の相続税の増税まで残すところわずか1年となった。ビルオーナーが取り組むべき相続税対策の一つとして効果的な「小規模宅地特例」であるだけに、オーナーも顧問税理士、もしくは実務担当者とともに本書を使い倒すべきである。